【インドネシア政経ウォッチ】第4回 援助受け入れから国際貢献へ(2012年 8月 23日)

ユドヨノ大統領は独立記念日前日の16日、毎年恒例となっている来年度予算案の大統領演説で、インドネシアの民主主義の進展とさらなる経済成長への自信を示したほか、インドネシアの国際貢献に対する意欲を前面に押し出した。

2013年の経済成長率の目標を6.8%と発表し、「独立100周年となる2045年に、強靱(きょうじん)で公正な経済と安定した質の高い民主主義を伴った先進国になることを目指す」と述べた。国際社会から「インドネシアはどう考えるのか」と尋ねられることが増えたとも強調した上で、東南アジア諸国連合(ASEAN)や東アジアだけでなく混迷のシリア情勢について言及し、世界平和と安定維持のために国際貢献する決意を表明した。

これまでインドネシアは、中東産原油の運搬ルートという地政学的重要性もあり、日本にとって最大の開発援助供与先であった。ダム、道路、鉄道などのインフラ整備のほか、教育や保健衛生の分野でも多数の技術協力事業が実施された。一方で過度な援助漬けで汚職が蔓延(まんえん)したため「自立は難しい」と思われた時期があり、今でも「インドネシアが国際貢献なんてできるのか」というシニカルな見方も内外にある。「ネシア」という呼称にもインドネシアを見下す意識が垣間見える。

しかし、国民1人当たりの国内総生産(GDP)が3,500ドル(約28万円)を超えた今、インドネシアは「貧しい国」ではなくなった。中間層の今後10年の伸び率は中国やインドを凌駕(りょうが)するとさえいわれている。インドネシア政府自身も債務負担増を避けるため、外国借款には消極的である。インフラ整備に関しても、政府保証をベースに民間資金を活用する官民パートナーシップ(PPP)が基本である。地方政府も含めて以前のように、「援助が欲しい」という態度をあからさまに示すことはなくなった。

日本政府はインドネシアとの対等なパートナーシップを謳(うた)っている。ただし、それは二国間関係にとどまらず、より国際貢献したいインドネシアと一緒になって国際貢献することをも含む時代になったのではないか。

 

http://news.nna.jp/cgi-bin/asia/asia_kijidsp.cgi?id=20120823idr023A

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