【インドネシア政経ウォッチ】第17回 国会議員対ダハラン国務相(2012年 12月 6日)

政党や国会議員が、省庁や国営企業に便宜を図った見返りを強要する疑惑がメディアを賑わせている。10月に国営ムルパティ航空が政府から増資を受けた際に、国会議員が関連法案を通した見返りとして礼金を要求したことが明らかになった。公表したのは、ムルパティを監督するダハラン・イスカン国営企業担当国務相。メディアから強く要求された結果、礼金を要求した国会議員10人のうち3人の実名を挙げる事態となった。

当然のことながら、名指しされた国会議員は身の潔白を主張した。その後、ダハランが一部について誤りを認めたため、国会議員は「名誉棄損で訴える」「大臣の罷免を要求する」と攻め立てる。ムルパティのルディ社長は、国会議員からの礼金要求は否定しなかったが、「自分は大臣に報告していない」とダハランをかばう姿勢を示した。

民主化後のインドネシアでは、省庁や企業による議会対策が極めて重要となった。議員たちに内容を理解してもらい、法律や政策を通してもらうためである。ゆえに、省庁や企業が「議会対策」の名の下で議員にさまざまな便宜を図るほか、逆に議員側が省庁や企業に要求をすることも一般化した。政党や議員にとっては大事な資金源となる。

11月14日、ディポ・アラム内閣官房長官は、国家予算絡みで3省庁が国会議員と不明朗な癒着関係にあると汚職撲滅委員会(KPK)に報告した。同長官によると、政府はすでに2005年からKPKに対して約1,600件の汚職疑惑の捜査許可を求めてきたが、そのほとんどが政党・国会議員に絡むものであるという。

国会で叩かれているダハランは次期大統領候補のひとりと目されている。一部の政治勢力の中には、今回の事件を通じてダハランにダメージを与え、大統領候補としての芽を摘みたいという思惑もあるようだ。ダハランはここでつぶされるのか。引き続き注目していきたい。

 

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