【インドネシア政経ウォッチ】第26回 顕著となる石油ガス部門の貿易赤字(2013年 2月 14日)

2月1日に発表された貿易統計速報によると、インドネシアの2012年の輸出総額は前年比6.6%減の1,900億4,460万米ドル、輸入総額は8.0%増の1,916億7,090万米ドルとなり、貿易収支は16億2,630万米ドルの赤字となった。この貿易赤字については、投資ブームで中間財・資本財の輸入が大きく増加する一方、世界経済の低迷で先進国市場への輸出が伸び悩んだことが原因、と説明される。しかし、貿易赤字を詳しく見ると、石油ガス部門での55億9,220万米ドルの赤字を、非石油ガス部門での39億6,590万米ドルの黒字で補うという構造になっている。貿易赤字で深刻なのは、実は石油ガス部門なのである。

石油ガス部門の貿易赤字を詳しく見ると、原油は14億9,020万米ドルの黒字、石油製品が245億2,130万米ドルの赤字、液化天然ガス(LNG)が174億3,890万米ドルの黒字であり、ガソリンなどの石油精製品の赤字を原油・LNGの黒字で補っている。石油製品の赤字は10年が141億600万米ドル、11年が232億2,120万米ドルで、国際石油価格の変動はあるにせよ、11年頃から大幅に輸入量が増加した可能性がある。インドネシア国内での二輪車及び自動車生産・販売台数の増加とそれに伴うガソリン需要増がある。

インドネシアは石油の純輸入国となり、石油輸出国機構(OPEC)からも脱退。原油からLNGへという動きが加速している。しかし、安泰と思われたLNGでも、インドネシアは輸入を増加させ、12年の輸入額は前年比118.2%増の30億8,160万米ドルとなった。経済成長につれてLNGの国内需要が高まる一方、国内でのガス田開発には時間がかかる。インドネシアは日本などとLNG輸出に関する長期契約を結んできたが、11年の契約更新時にその量を大幅に削減した。かつて日本向けLNG輸出基地だったアチェ州アルンのプラントをLNG輸入基地へ転換する計画もある。すでに国内では、LNG供給不足により、発電所や工場などの現場で生産活動に支障が生じている。

石油ガス部門の貿易赤字は、新規の石油・ガス田開発が進まなければ、ますます顕著となろう。成長するインドネシア経済のボトルネックである。

 

http://news.nna.jp/cgi-bin/asia/asia_kijidsp.cgi?id=20130214idr020A

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