【インドネシア政経ウォッチ】第28回 民主党は「ユドヨノの党」で終わるのか(2013年 2月 28日)

ハンバラン総合運動公園事業をめぐる汚職疑惑は、アンディ・マラランゲン青年スポーツ大臣辞任後の第2幕に入った。2月22日、ユドヨノ大統領を支える与党民主党のアナス・ウルバニングラム党首が汚職容疑者に断定され、翌23日に党首を辞任した。同事業を落札した企業から謝礼を受け取った収賄容疑だが、汚職で禁固5年のナザルディン元民主党会計役による証言などで、アナスの関与は以前から取り沙汰されていた。

おそらく、ユドヨノ大統領も民主党もアナスが容疑者になることを事前に知っていたに違いない。2月3日発表の最新の世論調査で民主党の支持率は8.3%に落ち込み、ゴルカル党(21.3%)や闘争民主党(18.2%)に大きく水を開けられた。2014年の総選挙を控え、何としてでも、党勢回復を図らなければならない。とりわけ、党の汚職イメージの払拭が必須である。しかし汚職疑惑に対するアナスの潔白を証明するのは難しい。党内から公然とアナスの党首職辞任を求める声が高まる。そこで、党創立者でもあるユドヨノ大統領は自身が最高会議議長として前面に出ることを決断。息子のイバスも国会議員を辞めて党書記長職に専念させ、ユドヨノ色で民主党の立て直しを図ることとした。

ユドヨノはこうしてアナスを「切る」準備を整えた。そのうえで、ユドヨノ自身がアナスに「汚職撲滅委員会との法的問題へ集中するように」と指示し、柔らかに辞任を促した。自分が復活するまでの緊急措置と信じていたアナスは、党首辞任演説で「これは最初のページに過ぎない。次々にページをめくっていく」と反抗を示唆した。

次の民主党を担う逸材として期待され、有望な大統領候補と目されたアナスは脱落し、民主党はユドヨノの陣頭指揮に委ねられた。それは、民主党が設立後10年を経ても「ユドヨノの党」を超えられなかったことを意味する。政党組織として成熟できず、汚職イメージの剥がれない民主党は、2014年のユドヨノ引退とともに終わるのだろうか。

 

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