はじまりの美術館を訪問

5月9日、福島県猪苗代町にある「はじまりの美術館」を訪問した。前々から興味のあった場所で、今回はたまたま10日に郡山で用事があり、その前にふらっと訪れた次第である。

猪苗代駅からひたすら北へ真っ直ぐ真っ直ぐ30分ほど歩いていく。猪苗代の中心街は、駅から北へ少し離れたところにあり、かつては賑わいをみせていたものの、今はひとかげもまばらである。

小雨が降る肌寒い天気の中、歩いて行った。はじまりの美術館の手前にある籐工芸と手打ちそばの店「しおやぐら」に立ち寄って昼食。山菜天ぷらと皿そばを食べた。付け合せは卵・トロロか辛味大根だったので、辛味大根をお願いした。

素朴な美味しいそばだった。盛りが四分の一の小皿そばなら何杯でも食べられそうな気がする。店内には、著名人や小皿そばをたくさん食べた方々の色紙が飾ってある。

そばをササッと食べて、はじまりの美術館へ向かう予定だった。ところが、お話をしているうちに、店を手伝っているご夫妻の娘さんが地元で活動をされていることを知り、ついつい話が弾んでしまった。彼女の活動の一つは、いなかふぇ(猪苗代サイエンスカフェ)で、5月17日にこのしおやぐらで、福島スィーツ会なる催しを企画している。


猪苗代に昔、中の沢まで鉄道が通っていた頃の話や、猪苗代にしかないものってなんだろう、などと尽きぬ話をしていたら、あっという間に1時間 半が経ってしまっていた。メインの目的は、はじまりの美術館だったのに。

そしてようやく、はじまりの美術館に入った。この美術館をつくるにあたって、地元の方々と一緒に作り上げる働きかけをしたのが、3月末にインドネシアで一緒に仕事をしたstudio-Lの山崎亮氏と西上ありさ氏で、二人からも訪問を勧められていた。

開催中の展示は、「陸から海へ:ひとがはじめからもっている力」で、日比野克彦氏ら多数のアーティストが、それそれの思う自らの大事な力の源を表現しようとしているように見えた。作品はなかなかユニークで、見ていて飽きなかった。


はじまりの美術館がその地域の人々に開かれた場となる必要性は、美術館の館長やスタッフには十二分に理解されているようだったが、地元のおじいさんやおばあさんが気軽に立ち寄って、お茶でもゆったりとすすれるような場としても活用される方向性を考えてもいいような気がした。

それにしても、とても居心地の良い空間だった。こんな場所が日本中あるいは世界中のあちこちにできてくると楽しいなと思った。いろんな意味で、筆者が構想する場づくりの参考になる場所であった。

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