【インドネシア政経ウォッチ】第82回 村落向け資金を管理・運営できるのか(2014年4月10日)

2013年12月末の国会承認を経て、村落法(法律2014年第6号)が施行された。この法律には、村の設立条件、村の権限、村長選挙、村議会、村条例、村財政などが定められている。また、村のカテゴリーに、行政上の村に加えて慣習村を初めて法的に位置付けた。

なかでも、特にメディアで話題となったのは、中央政府から県・市政府へ配分される均衡資金(日本の地方交付税交付金に相当)のうち、特定目的にのみ使われる特別配分金を除いた分の最低10%を村落へ配分すること、および県・市が地方税や利用者負担金で得た歳入の最低10%を村落へ再配分すること、が定められたことである。

今年度の国家予算で試算してみると、県・市経由で村に配分されるのは59兆2,000億ルピア(約5,380億円)、県・市の地方税・利用者負担金からの再配分が45兆4,000億ルピアであり、合計104兆6,000億ルピアが全国7万2,000村へ配分される。単純計算で一村当たり14億ルピアの資金が流入する。

2014年総選挙を控えた時期でもあり、国会はこの村落向け資金配分にこだわった形跡がある。実際、今回の選挙キャンペーンでは、村落法制定への自党の貢献をことさらにアピールする政党がいくつかあった。総選挙を前に、村落向け資金も政治的に利用される可能性が高いため、執行は15年からに延ばされた。

政府は、村落向け資金の会計報告に関する村落行政官の責任などを定める実施規則を5月までに策定する意向である。しかし、村落行政官はこれらの資金を有効に管理・運営できるのだろうか。

日本と違い、インドネシアの村落行政体はオフィスの体を成していない。村落行政官のほとんどは公務員ではなく、地元住民の有志である。資金管理を行うには、まず帳簿の付け方から学び始めなくてはならない状況にある。

パプア州では、過去数年間にわたり、すでに各村へ毎年10億~30億ルピアもの資金が配分されたが、住民にはその使途が知らされず、汚職の温床となっている。残念ながら、こうした現象が全国的に起こらない保証はない。

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