【インドネシア政経ウォッチ】第93回 プラボウォ陣営の不気味な自信と焦り(2014年7月17日)

大統領選挙は7月9日に投票が行われたが、クイックカウントで調査会社8社がジョコウィ氏、4社がプラボウォ氏の勝利と伝え、両者ともに勝利宣言を行う事態となった。当初から予想された動きではあるが、ユドヨノ大統領は両者を私邸へ呼び、自省を呼び掛けた。

プラボウォの勝利を伝えたクイックカウントの4社には、同陣営の選対幹部ハリー・タヌの所有するテレビ局の関連会社や、かつて南スマトラ州知事選挙でクイックカウントの捏造を行った会社が含まれている。クイックカウント実施会社が共同記者会見を開いた際に、これら4社は欠席した。ジョコウィの勝利を伝えた会社は定評があるが、多くがジョコウィ支持を打ち出していたため、中立性に疑問が呈された。今回の件で、クイックカウントに対する信頼が失われる懸念がある。

7月22日の総選挙委員会(KPU)による公式開票結果の発表へ向けて、両陣営の駆け引きはリアルカウントへと舞台が移った。両陣営とも、それぞれの勝利を正当化する数字を出している。このリアルカウントでKPUの開票プロセスに影響を与えようとしている。

KPUのウェブサイトには、投票所ごとの開票集計結果表がスキャンされて掲示されているが、そのなかに不正の疑いのあるものが発見された。合計が合わない、空白だった百の桁に1などの数字が加えられた、両陣営の証人の署名がない、などの欠陥がある。またマレーシアからの郵送投票の9割がプラボウォ票だったことが問題視されており、公式の集計結果表が偽造・捏造される懸念が高まっている。

国会では議会構成法が改正され、国会議長を総選挙結果の第一党から自動的に選ぶ形から国会議員の投票で選ぶ方法へ変更された。プラボウォ陣営はこれを「プラボウォ当選への布石」と位置づけたため、今回第一党となった闘争民主党が激しく反発している。

まさか「プラボウォ当選」のシナリオ通りに事が進んでしまうのか。不気味な自信を見せるプラボウォ陣営だが、焦りも交じる。