【インドネシア政経ウォッチ】第136回 内閣改造は成功するのか?(2015年8月27日) 

ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領は、独立記念日に先立つ8月12 日、内閣改造を断行し、6閣僚、すなわち、3調整大臣、国家開発計画大臣、商業大臣、内閣官房長官が入れ替わった。いずれもジョコウィ政権を支える重要な閣僚ポストと言えるが、昨今の経済減速への政府対応が奏功していないとの政府批判をかわす目的がうかがえる。

しかし、この内閣改造はプラスとなるのだろうか。早速、政権内部で不協和音が聞こえ始めた。その音源はリザル・ラムリ海事調整大臣である。

リザル大臣は、リニ国営企業相の政策に噛みついただけでなく、政府による3万5,000メガワットの電力供給計画を野心的だとして、これを主導するユスフ・カラ副大統領を批判した。しかも、カラ副大統領に会いに来るよう求めるといった尊大な態度さえ見せ、彼を任命したジョコウィ大統領からも叱責された。

リザル氏は、かつてアブドゥルラフマン・ワヒド政権で経済担当調整大臣を務めたが、その後は政府に批判的な経済評論家としてメディアを賑わせてきた。最近では、インドネシア商工会議所(カディン)の内部対立で生まれた反主流派カディンの会頭にも就任している。特定政党に所属してはいないが、政治的な発言を繰り返し、正統なエコノミストとはみなされていない。

ジョコウィ大統領は、新設で組織固めが終わらないものの、インフラ関係を仕切れる「おいしい」海事調整大臣ポストに、問題児とわかっていたはずのリザル氏をなぜ起用したのか。リザル氏自身の政治的野心を利用して利権を狙う勢力の存在も考えられる。

リザル氏のほかにも、中銀総裁として目立った成果を上げていないダルミン・ナスチオン氏を経済調整大臣に起用したのも疑問である。ダルミン氏は実物経済やマクロ経済全般への目配りが弱い。

今回の内閣改造を見ると、閣僚としての適材が不足しているとの印象を改めて感じる。内閣改造でジョコウィ政権の経済運営が改善される可能性は期待薄と言わざるを得ない。

 

(2015年8月25日執筆)

 

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