【スラバヤの風-08】再び脚光を浴びるサトウキビ

東ジャワといえば、植民地時代から有名なのはサトウキビ栽培である。オランダ支配下の強制栽培制度で本格導入され、1930年代前後の最盛時には年間約300万トンとアジア最大の生産量を誇った。世界恐慌の後、生産は衰退したが、今でも、アジアでインドネシアは、今でもフィリピンに次ぐ第2のサトウキビ生産国である。サトウキビは、ブランタス川下流のモジョクルトからシドアルジョにかけての地域を中心に、土地の肥沃度を維持するため、水田にコメや畑作物と組み合わせた3年輪作の1作として栽培された。

サトウキビを原料とする砂糖の生産は主に国営企業が担ってきたが、設備が老朽化したにもかかわらず、機械の更新など設備投資を長年にわたって怠ったため、生産性が低下し、多額の損失を出し続けた。一時、ジャワ島に集中する製糖工場をスラウェシやパプアへ移転して生産拡大を図る計画もあったが、結局頓挫した。政府は砂糖の輸入を増加させ、現在では、年間200万トン以上を輸入する世界有数の砂糖輸入国となっている。

しかし、サトウキビに砂糖生産の原料以外の用途が現れたことで、状況に変化が生じた。8月20日、モジョクルトにある国営第10農園グンポルクレップ製糖工場にて、日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がインドネシア工業省と共同で設置したバイオエタノール製造プラントが実証運転を開始した。日本の発酵技術を応用し、製糖工場から出る廃糖蜜(モラセス)を原料に純度99.5%のバイオエタノールを輸入代替生産する。バイオエタノールはすべて国営石油会社(プルタミナ)に買い取らせる計画である。

さらに、同じく国営第10農園は、マドゥラ島に日産6000トンの製糖工場を2014年までに建設する予定のほか、国営第3・第11・第12農園の合弁である国営インドゥストリ・グラ・グレンモレ社は、東ジャワ州東端のバニュワンギに日産6000トンの製糖工場を2015年までに建設し、サトウキビ糟から有機肥料やバイオエタノールの生産を計画している。製糖工場が新規に建設されるのは実に30年ぶりということである。

これら製糖工場の新しい動きが軌道に乗れば、砂糖の輸入抑制、ガソリンからバイオエタノール燃料への転換、有機農業の拡大など、インドネシアが直面するいくつかの深刻な問題の克服へ貢献する。サトウキビ栽培農家の生産意欲も向上するだろう。東ジャワのサトウキビは、再び脚光を浴び始めている。

 

(2013年8月24日執筆)