「支持政党なし」という政党

昨晩、福島から東京へ戻って、最寄駅の前の参議院議員選挙のポスター掲示板を見て、一瞬、目を疑いました。

「支持政党なし」と書かれたポスターが4枚、並べて貼られていました。候補者個人の名前ではなく、「支持政党なし」「政策一切なし」とデカデカと書かれています。

最初は、既存の政党に対する批判や風刺か。もしかしたら、既存政党に対する嫌がらせなのかもしれない、と思いました。きっと、翌朝には剥がされていて、ニュースで「悪質な選挙妨害」などと報じられるのではないか、と思いました。

ところが、家でインターネットで検索すると、「支持政党なし」という政治団体が存在し、党として選挙に出ていることを知りました。私の選挙区には4人も立候補しています。でも名前は分からないし、政策は一切ない、と言っています。

ホームページを見ると、「支持政党なし」党の党員は使者であり、議案や法案ごとに一つずつインターネット等を通じて国民に議決に参加してもらう、そこで賛成多数なら賛成へ、反対多数なら反対へ、議決権を行使する、とか書かれています。

何かのために政治的に結社するのではなく、また、そのために独自に議案や法案を出すこともしない、あくまでも現状に対して賛成か反対か、多数のほうへなびくという、徹底的に受け身の立場の政治団体と見受けました。

このような政治団体も選挙に参加できるのですね。この団体の中身を知らない人が、政治の現状への不満から、投票用紙に「支持政党なし」と書くのを期待しての行動なのかもしれません。

本当の意味で支持政党なしならば、「支持政党なし」党も支持しないのではないでしょうか。「支持政党なし」党の出現は、ほの暗い将来への動きをさらに象徴するもののようにも感じられました。

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