スラバヤの食は劣化しているのか

3月26日〜4月5日は、借りていたアパートの部屋の片付けなどでインドネシア・スラバヤとマランへ行っていましたが、食べ歩きも、もちろん忘れませんでした。

スラバヤへ行ったら食べたくなる食べ物も味わいましたが、その中には、明らかに味が落ちたものがいくつかありました。どうして、こんなに味が落ちてしまったのか、ちょっと残念でした。

これまでの経験から独断と偏見でいうと、インドネシアで食べ物の美味しい街といえば、ジャワ島ではスラバヤ、スマラン、マラン、バンドンあたりでしょうか。もちろん、ジャワ島の農村部で食べる何の変哲もない食事でとても美味しいものに出会うこともよくあります。

たとえば、スラバヤの5つ星ホテルの一つ、マジャパヒトホテルのコーヒーショップで出されるアップル・ストゥルーデル。

マジャパヒトホテルは、オランダ植民地時代にはオレンジホテル、日本占領期にはヤマトホテルと呼ばれた、コロニアル風建築のホテルで、一泊の価値があると思います。

オランダ植民地時代からの独自レシピで、このホテルの前身のホテル以来、出してきた名物スウィートです。これが食べられるのは、インドネシアではここだけです。

上が今回2017年4月2日に食べたもの、下は2016年12月8日に食べたもの、です。二つの写真を比べれば、その違いがよく分かります。

アップル・ストゥルーデルは、りんご餡と生地を交互に重ねたケーキ菓子で、その美味しさに重要な役割を果たすのが、甘すぎないりんご餡とサクサクの生地です。

以前の下のものは、生地がサクサクで、上部に冷たいクリームがしっかり入っていて、甘さだけでなく、冷たさも味わえ、ナイフでサクッと切るのが難しいほど、生地がしっかりしていました。

今回のものは、生地のサクサク感がなく、真ん中に入る生地がしっかりしておらず、また、クリームの質も以前より落ちていました。

生地のサクサク感がないのは、冷凍保存していたものを解凍して出してきているのも理由の一つでしょう。冷凍ものを出すようになって、明らかに生地のサクサク感がなくなり、味が落ちました。もちろん、昔のアップル・ストゥルーデルはもう戻ってこないかもしれません。

他にも、中華系の麺店エンペラー・ラーメンの辛味肉味噌そばも、残念な味になっていました。

常連だったチプトラ・ワールド店は閉店してしまったので、今回は、トゥンジュンガン・プラザ店で食べてみました。

味噌がドバッと載っていて、何よりも、味噌の下の麺がほぐされてなく、くっついたままの状態でした。味噌と絡める前に、麺をほぐさなければなりません。麺の茹で具合はやわからすぎ。肉味噌の味も辛さやパンチが効いていません。

ちなみに、以前、よく食べていた辛味肉味噌そばは、下の写真です。

肉味噌と細切りジャガイモが絶妙に絡み、汁なし麺のなかでも最も好きだった麺の一つでした。写真を見比べると、違うメニューのようにも見えますが、同じメニューなのです。

これら二つのほかにも、いくつか残念な食がありました。食材コストや労働コストの上昇が料理の質の劣化を招いている可能性があります。

でも、人気店にはますます客が集中していて、長蛇の列になっています。一方、いったん質が落ちると支店の数が減ってどんどん劣化します。スラバヤでも、こうした二極分化が進んでいて、前者の数が増えていないのかもしれません。

ソトアヤム・チャ・ハールのように、屋台同然だった店が評判になり、メニューはソトアヤム(鶏肉の実だくさんスープ)だけなのに、広い敷地で営業するようになるケースもあります。

スラバヤ全体として食の劣化傾向が起こっている、とまでは断定できないかもしれません。しかし、飲食業界での競争はますます激しくなり、かつての有名店でも、名物料理を持っていても、うかうかしていられない、という状況であることは確かなようです。

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