椏久里のケーキとお気に入りの蕎麦屋

6月22日、福島市に日帰り出張しました。

肝心の福島市役所での会議は午前中で終わり、昼食を摂ってから、知人と椏久里(あぐり)でコーヒーを飲み、活動拠点とする予定の古民家の様子を見に行って、実家で夕食を食べてから、新幹線で東京へ戻ってきました。

椏久里でコーヒーを飲みながら、知人から「福島に活動拠点を作ってやるといったのに、全然福島に来ないじゃないの!」と追及され、「言わなきゃよかったのにね」などと諭され、今週末に強制的にまた福島へ来る予定が入ってしまいました。

インドネシア関連案件が11月ぐらいまであり、物理的になかなか福島に腰を落ち着けられない後ろめたさを感じつつ、でもマイペースで進めていくしかないよね、なんとかなっていくものさ、とちょっと呑気に構えてしまう今日この頃です。

椏久里の今月のケーキを2個も食べ、2つともとても美味しかったので、写真だけでも載せておきます。もちろん、椏久里の美由紀さんに聞いて、それぞれのケーキに合うコーヒーを勧めてもらい、満喫しました。

別にケーキを売り物にしている店ではないけれど、とにかく美味しいのです。ヨーロッパ、とくにウィーンのケーキ菓子に造詣が深く、研究熱心なのです。世界中のコーヒーから選りすぐったコーヒーはもちろん、ケーキもお忘れなく。

椏久里の店主・市澤秀耕さんの記事がありました。以下のリンクをご覧ください。

 (リレーおぴにおん)カフェより:3
  語り合い、苦しみ分かちあう 市澤秀耕さん

椏久里に行く前に昼食をとったのは、手打ち蕎麦屋のよしなり。福島市のパセオ通りにあるこじんまりとした店なのですが、店内の雰囲気がとてもよくて、居心地が抜群に良いのです。軽めのジャズ系の音楽が流れるなか、茹で加減が素晴らしい蕎麦が出てきます。

今日食べたのは、Cセット。ミニせいろ+ミニ天丼です。

店員さんの対応も気持ちがよく、今回が2回めですが、すっかり気に入ってしまいました。

昔ながらの蕎麦屋といえば、福島市内では喜多屋、喜多八、峰亀など、私が子どもの頃からある老舗の有名店があります。その後、他に何軒も新しい蕎麦屋ができています。

でも、よしなりは何といっても居心地が本当によくて、私の福島での大事な場所になるかもしれません。

ガンビールとの出会い(3)

パッパク・バラット県を訪れた後、ガンビールに関する情報ファイル(インドネシア語)が送られてきました。送り主は、同県でガンビール加工を促し、加工品の販売を始めた県営企業の幹部です。

それによると、ガンビールは標高200〜800メートルで育ち、気温26〜28度、湿度70〜85%、土中のpHが4.8〜5.5、年降水量2,500〜3,000ミリの赤道付近で育つとされ、インドネシアのスマトラ島には適地があるようです。

ガンビールの加工品としては、まず、ガンビール茶です。ガンビールの葉を数日間天日干しし、それを細かく砕いて、ティーバッグに入れたお茶です。地元の皆さんと一緒にいただきました。カテキンは熱いうちに摂取しないと効果がない、と言われて、アツアツを飲みましたが、甘い。砂糖が入っていました。

機械がちょうど修理中で、手作業でティーバッグ詰めをしていました。

ガンビール茶のほかに、ガンビールでインクを試作していました。ガンビール製のインクを次の選挙の際に、二重投票禁止の印用のインクとして使ってもらうよう、北スマトラ州選挙委員会に働きかけているということでした。

そして、できれば、プリンターのインクにも使えないか、と思っているようです。プリンター製造メーカーにかけあってみたらどうか、と勧めてみました。

ほかにも、健康に良いガンビールのエキス抽出後の葉を発酵させて飼料にし、牛に食べさせて、牛糞を有機肥料にして、ガンビールや他の農作物に使う、というアイディアもあるようです。ガンビール牛の肉も、何か健康に良さそうな気がします。

日本ではあまり知られていないガンビールですが、パッパク・バラット県でいろんなことを知りました。彼らがガンビールを軸にした地域振興を考えるのは自然なことに思えるほどでした。

ガンビールに興味のある方や企業があれば、是非、ご連絡ください。ガンビールに関する情報ファイル(インドネシア語)も英訳する予定です。場合によっては、私がパッパク・バラット県までご案内してもかまいません。

なお、余談ですが、ジャカルタのガンビールの由来は、このガンビールとは違うようです。ウィキペディアによると、ジャカルタのガンビールは、オランダ人の名前から取られたもののようです。

ガンビールとの出会い(2)

ガンビールは、葉からエキスを抽出し、水分を飛ばして固形化したものをインドへ輸出しているようです。固形化したガンビールは、摂氏50度ぐらいになると容易に液体化してしまうため、扱いがなかなか難しいそうです。

パッパク・バラット県は標高1000〜1500メートルぐらいの高原地帯にあり、平地がほとんどなく、傾斜地が多い地形です。風が吹いていて、ガンビールを乾燥させるには適した気候のようです。

まず、ガンビールの葉を煮た後、葉っぱを取り除きます。

エキスを抽出した後のガンビールの葉。

ガンビールのエキスを抽出している様子を動画に撮りました。

抽出されたエキス。

抽出されたエキスは布袋に入れて放置し、水分を切ります。

布袋から中身を取り出すと・・・。

これを天日干しします。

雨がけっこう降るところなので、雨よけのビニールがかけられています。

これが輸出される前のガンビール。なんと、カテキンの塊なのだそうです。

作業場は上写真のような、質素な小屋がけでした。パッパク・バラット県では、こんなシンプルなガンビール加工場が農家レベルでいくつもあるとのことです。

日本から技術を入れて、このガンビール加工の効率を上げたい。そして、そのガンビールを日本へ直接輸出したい。案内してくださった県農業局の皆さんは、そう熱く語ってくれました。

ガンビールとの出会い(1)

先月、出張先のインドネシアでガンビールに出会う機会がありました。

ガンビール(Gambir)といえば、ジャカルタ在住の方なら長距離列車のターミナル駅であるガンビール駅を思いつきますよね。でも、今回出会った場所は、ジャカルタではなく、北スマトラ州のパッパク・バラット県(Pakpak Bharat)という、ちょっと聞きなれない地名のところです。

パッパク・バラット県は、北スマトラ州の州都メダンからトバ湖方面へ車で約6時間、山間部のサラックというところが県都です。人口は5万人以下で、バタック族の中のパッパク族というサブ種族グループの方々がダイリ県から分立してできた県です。

ガンビールとは、木になる葉っぱでした。

この葉っぱ、実は薬の原料として、日本にも輸入されています。ただし、インド経由で。でも、世界のガンビール生産の8割が実はインドネシアなのです。

しかも、インドネシアで獲れるところは、スマトラ島の一部に限られます。最も生産が多いのは西スマトラ州のリマプルコタ県です。この北スマトラ州のパッパク・バラット県も近年とくに力を入れており、県政府は100万本のガンビールノキを植えると息巻いています。

薬の原料としてのガンビールは、日本では阿仙薬として知られ、正露丸や仁丹などにも含まれているそうです。そう、知らないところで、我々はガンビールにお世話になっているのかもしれません。

このガンビールの葉を使ったお茶が作られています。ティーバッグが25個入って1万ルピア、他の一般的な大量生産のティーバッグ茶よりもやや高い値段です。今は口コミでメダンやジャカルタで細々と売られているそうです。

このガンビール茶を、このところしばらく飲んでいます。ガンビールと関係あるのかどうかは知りませんが、ずっと悩まされていたアトピーがずいぶんと良くなり、汗をかいたときの肌のかゆみも和らいだ気がします。

ガンビールは体にいい、とパッパク・バラット県の方々に言われました。腹痛の時に飲むといいとか。正露丸にも使われているなら、なるほどと思いましたが。

どんなふうにガンビールを加工するのか。次回はその様子をお知らせすることにします。

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