【インドネシア政経ウォッチ】第85回 ジョコウィ人気に陰り?(2014年5月8日)
大統領選挙投票日の7月9日まで2カ月となった。しかし、2期10年で任期満了となるユドヨノ大統領に代わる新大統領を選ぶというのに、ユドヨノ再選となった前回と比べても、今回はさらに盛り上がりに欠けている。
4月9日投票の総選挙(議会議員選挙)の開票確定結果は5月9日に公表される予定だが、それに基づいて各党の得票数や議席数が確定し、政党間の合従連衡を経て正副大統領候補ペアが具体的に決まるので、大統領選挙が盛り上がるとすればその後だろう。
そんな低調ムードのなか、想定される大統領候補の人気投票最新版の結果が5月4日に発表された。SMRCというコンサルティング会社によると、ジャカルタ首都特別州知事のジョコ・ウィドド(ジョコウィ)の支持率は、2013年3月時点では41%だったが同年12月には51%まで上昇。それが14年2月には39%へ一気に下がり、同年3月に52%に急上昇した後、同年4月には再び47%へ下降している。
一方、グリンドラ党のプラボウォ党首の支持率は、13年6月時点で20%程度だったのが、14年4月には32%へ大きく上昇している。過去1年の支持率の変化を見ると、プラボウォの方がジョコウィよりも急上昇したことになる。
ちなみに、ゴルカル党のアブリザル・バクリー党首は14年4月現在で9%程度であり、大統領選挙は事実上、ジョコウィとプラボウォの2人で争われる形となっている。低調な雰囲気のなかで、メディアやインターネットを使ったジョコウィ陣営とプラボウォ陣営の中傷合戦は、露骨な個人攻撃も含めて激しさを増している。
もっとも、現時点で確実に大統領選挙へ出馬できそうなのは、闘争民主党と全国民主党(NasDem)が推し、民族覚醒党(PKB)も加わるのが確実なジョコウィのみである。他方、プラボウォ側は、党首を務めるグリンドラ党と他党との連立がまだ固まっておらず、焦りすら見える。その意味でも、人気がやや落ち目とはいえ、ジョコウィがまだリードを保っているといえる。