【インドネシア政経ウォッチ】第146回 成長率4 . 7 9 % でも政府は悲観せず(2016年2月11日)

中央統計庁は2月5日、2015 年国内総生産(GDP)成長率を4.79%と発表した。現在の成長率は10年不変価格で計算されているが、これに基づいた過去の成長率は、11年が6.17%、12年が6.03%、13年が 5.58%、14年が5.02%と年々低下しており、15年は5%を割り込む結果となった。

産業別GDPの傾向はここ数年変わっていない。すなわち、情報通信、交通運輸、建設、企業サービスなどの成長率が引き続き高い一方、農業、鉱業、製造業などのいわゆる基幹生産部門の成長率が振るわないままである。とくに鉱業部門は、未加工鉱石輸出禁止とそれに代わる製錬施設の準備の遅れにより、マイナス5.08%と経済成長の足を大きく引っ張る結果となっ た。

製造業部門も好調なのは食品加工関連のみで、GDPにしめるシェアも13年の21.03%から14 年は 21.01%、15年は20.84%と減少し続けている。逆に、農業部門は低成長にもかかわらず、GDPシェアを14年の13.34%から15年は13.52%へ増加させた。

15 年の支出別GDPを見ると、輸出入が大きく落ち込むなかで、成長率4.96%の民間消費が主導の構造に変化はない。投資を示す総固定資本形成成長率が14 年の4.12%から15 年に5.07%へ上昇したのは明るい材料ではある。

他方、地域別にみると、輸出向け資源依存の高いスマトラ(3.54%)やカリマンタン(1.31%)の低成長と、バリ・ヌサトゥンガラ(10.29%)、スラウェシ(8.18%)、マルク・パプア(6.62%)など東インドネシア地域の高成長が目立つ。バリ・ヌサトゥンガラの高成長は、14年に未加工鉱石輸出禁止の影響を受けた西ヌサトゥンガラ州のニューモント社での生産回復による。ジャワの成長率は14 年の5.59%から15年は5.45%へ漸減したが、依然として経済全体を下支えしている。

5%を切った15年のGDP成長率だが、政府は意外なほど悲観していない。15 年第4四半期GDPは前年同期比5.04%となり、第2四半期の4.67%、第3四半期の4.73%から徐々に回復へ向かう兆候があるためである。政府は、この回復傾向が継続するとして、16年は5%台前半の成長を見込んでいる。

 

(2016年2月11日執筆)

 

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