【クドゥス】さすが本場のソト・クドゥス
昼食としてはナシ・オポールで十分満足しつつも、本場のソト・クドゥスを食さずして、クドゥスを去る訳にはいかない。
向かった先は、クドゥスのやや大きめのパサール(市場)の一角。下の写真が入口。
中に一歩入ると、右も左もソト・クドゥス屋。何軒ものソト・クドゥス屋が軒を並べている。いずれもずいぶんと年季の入った店構えである。
筆者が入ったのは、Bu Ramidjanという店。どの店もカウンター形式で、客の目の前には様々なソト・クドゥス用の食材が並び、客が好みの食材を入れるよう告げると、その向こうで、おじさんやおばさんが手際よくソト・クドゥスを作ってくれる。
注文する際、「肉は鶏肉にするか、水牛肉にするか」と聞かれた。ソト・クドゥスといえば鶏肉だと思っていたのでちょっとびっくり。でも、もともとは水牛肉が元祖だったらしい。そこで、水牛肉にしてもらう。そういえば、チョト・マカッサルも、もともとは水牛の肉と臓物を食べるための料理だった。
これが水牛肉のソト・クドゥス。ご飯が中に入っているので、正確にはナシ・ソト・クドゥス。水牛肉なので固いイメージが合ったが、ええーっと思うくらい、柔らかくなった肉だった。水牛に特有の生臭さもない。
このソト・クドゥス、絶品だった。こんな美味しいソトを今まで食べたことがないぐらい、絶品だった。水牛肉の柔らかさ、キャベツやもやしの適度なシャキシャキ感、それに絡むスープとご飯、アクセント役の揚げニンニク。もう、たまらない。この美味しさを言葉にすることは難しい。これを食べるためだけでも、クドゥスに来て本当に良かったと思えた。
ソト・クドゥス屋では、最初に「ソトにするか、ピンダンにするか」と聞かれる。ピンダンというのは、酸っぱい味のスープである。次に「肉は鶏肉か、水牛肉か」と聞かれるのである。ちなみに、一緒に連れて行ってくれた運転手くんは、水牛肉のピンダン(下写真)を頼んだ。
ジャカルタでは、おそらく水牛肉を使ったソト・クドゥスは見かけないだろう。また、ピンダンを一緒に出すソト屋もないだろう。本場のソト・クドゥスに出会えてよかった。
余談だが、このBu Ramidjanという店で料理を出してくれたのはおじさんだったが、ふと向かいを見ると、同じようなソト・クドゥス屋があり、店の名はPak Ramidjanだった。そこでは、おばさんがソトを出している。この両者、どういう関係になっているのか聞いたが、要領のいい答えはもらえなかった。謎である。