スラバヤを「桜」の街に
日本は今、東京を始め各地で桜が満開になっているようだが、インドネシア人の知人たちの間で、なんとスラバヤの「桜」が話題になっている。
雨季が始まる頃に咲く、スラバヤの「桜」。白、ピンク、黄色の花が咲く。花が咲き終わってから葉っぱが出てくるため、「桜」と同じだー、と言われているのである。
インドネシアの週刊誌『テンポ』の以下の写真ページを参照いただきたい。
Indahnya ‘Bunga Sakura’ di Surabaya
以下の日本語ウェブサイトでも、スラバヤの「桜」のことが取り上げられている。
このスラバヤの「桜」、実は桜ではない。桜はバラ科サクラ亜科サクラ属で学名がPrunus, Cerasusであるのに対して、スラバヤの「桜」はタベブイアと呼ばれ、ノウゼンカズラ科タベブイア属の花を咲かせる樹木である。
スラバヤは緑の多い街である。よくみると、ただ単に緑が植えられているのではなく、花の咲く樹木が街路樹に植えられ、また、道路に面した公園や花壇には、様々な花が計算された配置に基づいて植えられていることが分かる。
そんな街路樹として、主要な通りに植えられているのが、このスラバヤの「桜」である。スラバヤ市のリスマ市長は「桜を愛でるなら、日本に行かずとも、スラバヤへ来ればいい」と言いながら、積極的にタベブイアを植えてきた。
本物の日本からの桜でないことを残念がる方もいるかもしれない。しかし、日本の桜の美しさをよく知っているからこそ、スラバヤにもそんな「桜」をたくさん咲かせてみたい、「桜」並木のある街にしたい、とリスマ市長は思ったのだろう。
スラバヤ市は、昔のゴミ最終処分場跡を公園化し、そこに「桜」を始めとして様々な花を植える計画を進めている。その計画に対して、国営BNI銀行が30億ルピア(約2700万円)を寄付すると申し出た。以下がその記事である。
BNI Kucurkan 3 Miliar untuk Taman Sakura Surabaya
リスマ市長は、スラバヤを「桜」の咲き誇る街にしたいのだ。街としての美観+潤いのある街にしたいのである。やはりこの市長は只者ではない。
世界中の市長を評価する『シティメイヤーズ』サイトは、リスマ市長を2014年2月の「メイヤー・オブ・ザ・マンス」に選んだ(英文記事はこちらから)。
今年も日本で花見ができなかった。でも、スラバヤが「桜」の咲き誇る街を目指すという話を聞いて、なんだかとっても嬉しくなった。
スラバヤ生活も4月1日から2年目に入った。この街がどんどん面白くなってきた。
スラバヤの街なかに咲く花の写真を少しずつ撮り始めた。「桜」はまだだが、花の話題にしては殺風景なので、花の写真をひとつ載せておく。