ガンビールとの出会い(1)

先月、出張先のインドネシアでガンビールに出会う機会がありました。

ガンビール(Gambir)といえば、ジャカルタ在住の方なら長距離列車のターミナル駅であるガンビール駅を思いつきますよね。でも、今回出会った場所は、ジャカルタではなく、北スマトラ州のパッパク・バラット県(Pakpak Bharat)という、ちょっと聞きなれない地名のところです。

パッパク・バラット県は、北スマトラ州の州都メダンからトバ湖方面へ車で約6時間、山間部のサラックというところが県都です。人口は5万人以下で、バタック族の中のパッパク族というサブ種族グループの方々がダイリ県から分立してできた県です。

ガンビールとは、木になる葉っぱでした。

この葉っぱ、実は薬の原料として、日本にも輸入されています。ただし、インド経由で。でも、世界のガンビール生産の8割が実はインドネシアなのです。

しかも、インドネシアで獲れるところは、スマトラ島の一部に限られます。最も生産が多いのは西スマトラ州のリマプルコタ県です。この北スマトラ州のパッパク・バラット県も近年とくに力を入れており、県政府は100万本のガンビールノキを植えると息巻いています。

薬の原料としてのガンビールは、日本では阿仙薬として知られ、正露丸や仁丹などにも含まれているそうです。そう、知らないところで、我々はガンビールにお世話になっているのかもしれません。

このガンビールの葉を使ったお茶が作られています。ティーバッグが25個入って1万ルピア、他の一般的な大量生産のティーバッグ茶よりもやや高い値段です。今は口コミでメダンやジャカルタで細々と売られているそうです。

このガンビール茶を、このところしばらく飲んでいます。ガンビールと関係あるのかどうかは知りませんが、ずっと悩まされていたアトピーがずいぶんと良くなり、汗をかいたときの肌のかゆみも和らいだ気がします。

ガンビールは体にいい、とパッパク・バラット県の方々に言われました。腹痛の時に飲むといいとか。正露丸にも使われているなら、なるほどと思いましたが。

どんなふうにガンビールを加工するのか。次回はその様子をお知らせすることにします。

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