福島銘菓「さぼうる」の復活?
福島駅西口のコンコースには、地元のお菓子を売るコーナーがあります。そこに「松月堂」という名前のお菓子屋が出ていたので、思わず立ち止まりました。
松月堂ということで探したのは「さぼうる」。この「さぼうる」は、東京のナボナに似たお菓子で、ふんわりしたカステラ生地の間に様々な果物のジャム餡が挟んであるお菓子です。そうしたら、ありました!
なぜ「さぼうる」を探したかというと、実はこれは、私が子どもの頃には有名な福島銘菓だったからです。そして、しばらくずっと姿を消していたお菓子だったからです。
私が子どもの頃、福島市にはいろいろなお菓子屋がありました。当然、いろいろな地元のお菓子がありました。そんなお菓子屋の一つが「松月堂高木」です。
松月堂高木の本店は昔、福島市本町、ちょうど今の中国料理「石林」の入っているビルの隣あたり、日本蕎麦の老舗の喜多屋の並びにありました。和菓子と洋菓子を売っていて、商店街には、松月堂高木のCMソング(「ケーキの松月堂たーかーぎー」というサビの部分は今も覚えています)が流れていました。
その松月堂高木の看板となるお菓子が「さぼうる」だったのです。その時から、餡には果樹王国・福島の自慢の果物のジャム餡を使っていて、子どもの頃はよく食べたものでした。
時が経ち、福島市の中心街が寂しくなっていき、いつの間にか、本町の松月堂高木の店は消えてしまいました。有名な日本蕎麦屋だった喜多屋も5年ぐらい前になくなりました。櫛の歯がボロボロと欠けていくように、福島市中心街の老舗が姿を消していきました。
その「さぼうる」を今回見つけたのです。製造販売しているのは、「松月堂高木」ではなく「松月堂」。福島市の西部に本社があり、菓子だけでなく、食肉やレストランなど、食に関する幅広い展開をしている企業です。おそらく、何らかの形で「松月堂高木」と「松月堂」はつながっているのでしょうが、その詳細はまだ分かりません。
実家に帰って、さぼうるを食べてみました。懐かしい味がしましたが、ずいぶん前に食べたせいか、ちょっと味が変わったようにも感じました。中のジャム餡はもっと多かったような気がします。
福島特産の果物を生かしたお菓子として、さぼうるはもっと有名になっていいお菓子だと思います。