今年も東京でお盆の季節
東京の我が家は、今年もお盆の季節を迎えました。
東京は、7月13〜16日頃までの新暦でお盆を迎えるのが一般的のようですが、日本の多くの地域では、8月半ばに旧暦でのお盆を迎えるところが大半ではないかと思います。
我が家では、今年も、提灯をつけ、行灯を灯し、野菜などのお供え物と、キュウリとナスで作った馬と牛を作りました。それらをマコモの筵の上に置きます。
キュウリの馬とナスの牛は精霊馬、精霊牛と呼ばれ、前者は、ご先祖さまの霊ができるだけ早く戻ってくるための乗り物であり、後者は、できるだけこの世に留まっていられるようにという意味を込めたあの世に戻る時の乗り物なのだそうです。
日が暮れた後、迎え火をしました。皮を剥いだ麻である「おがら」を折って、焙烙(ほうろく)と呼ばれる平たい素焼きの皿の上に置き、それに火をつけて煙を出し、ご先祖さまの霊が迷わずに戻ってこれるようにします。
このときには、家の入口のドアを開けて、ご先祖さまの霊を迎え入れます。
おがらを焼き終わって、煙が出なくなったら、禊萩(みそはぎ)という草木に水を含んでおがらの上に水をふりかけ、火を消します。そして、家のドアを閉めます。
これから数日、お盆が終わるまで、ご先祖さまの霊と一緒にいる、ということになります。ご先祖さま、今年もよろしくお願いいたします。
それにしても、精霊馬・精霊牛と一緒に、トラジャのトンコナン・ハウスのミニチュア、アルパカのぬいぐるみ、昔マカッサルにいた20年前に撮った家族写真、イノシシのイヤープレート、象さんのお皿などが写り込んでいるこの写真は、まさに、我が家の愛すべき混沌を表していますね。
我が家では、毎年、ちょうどこの時期、妻の父親と伯母の命日が重なります。この場所で生まれ、人生を歩んできた妻にとっては、今は亡き両親、祖母、伯母など、かつてともに過ごした大切な人々を想う、とても大事なひとときなのだと思います。
他所からやってきた、マスオさん状態の自分にとっても、最後は、ここが自分の帰るべき場所になっていくのだなという思いを強くする毎年のお盆です。