昼夜同一料金、人形町の気どらない洋食屋

人形町は個性的で手頃な洋食屋が多い町である。

先日、人形町へ行った際、甘味処・初音で栗あんみつをいただき、今半でメンチカツを買った後、妻と洋食屋へ行こうという話になった。

でも、人形町に洋食屋が多いのは分かっていても、「ここ!」という馴染みはなく、どこへ行ったらいいものか、考えあぐねていた。

思い切って入ったのが、東京メトロの人形町駅近くの小春軒。有名な店なので、ちょっと気どっているのではないか、と戦々恐々でドアを開けて入ると・・・。

全く逆だった。

そこは、東京の下町のあったかい雰囲気の空間だった。

小春軒に来たからには、特製カツ丼をいただく。

5〜6枚の一口カツの上に、ゴロゴロ野菜に味付けて炒めたものと目玉焼が載っている。洋風カツ丼とでも言おうか。

これがなかなかいける。こういうのもありだ。カツが美味しい。

ネットを見ていたら、このカツ丼の由来等についての説明が以下のサイトに載っていた。

 よみがえった明治時代の味:小春軒

妻は「特製盛り合わせ」。何が盛り合わされているのか、小春軒のおばさまは教えてくれない。そして出てきたのがこれだった。

一見すると普通のカツやフライだが、一口食べた時に違いを感じる。揚げ方が絶妙で、本当にサクサク、美味しく揚がっているのだ。

「昼も夜も値段は同じ。でも、夜に来るほうがいいわよー」

小春軒のおばさまが楽しそうに話す。でも、どうして? 何が違うの?

「夜はね、お客が少ないから、おしぼりが出せるのよー。昼はお客が多くて、おしぼり出す暇がなくてねえ」

そこでしたか。でも、本当はおばさまがお客さんとお話したいからだったりして。

昼夜同一料金の洋食屋は、小春軒と、その少し手前の来福亭(ここは以前、友人と行ったことがある)。焼き飯やカツライスが食べたかったら、来福亭へ行く。

小春軒、常連になりそうな予感。

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