【ぐろーかる日記】排除される人のない、誰しもが参加できる経済の仕組みを目指すリンクル―ジョン
1月19日は、国際機関日本アセアンセンターのASEAN最新事情ウェビナー「ミャンマーでの小口金融・ラストマイル流通事業の展開」で司会進行役を務めました。講師は、リンクル―ジョン株式会社CEOの黒柳英哲氏でした。
⇒リンクル―ジョン株式会社:https://www.linklusion.co.jp/
黒柳氏の講演は、マイクロクレジット向けのクラウドサービス提供からB2Bコマース事業へ展開した事業内容の経緯、リンクル―ジョンが主とする地方とヤンゴン等都市との比較、B2Bコマース事業で扱う商品等を通してみた地方の生活と消費の詳細、新型コロナの影響、へと展開しました。
具体的な事例に基づく実践的な内容の発表で、行きつく暇もないぐらい、現場の臨場感の伝わってくる興味深い内容でした。講演資料は間もなく、日本アセアンセンターのサイトにアップされるものと思われます(アップされたらこのぺーじにURLを掲載します)。
黒柳氏が目指すのは、「排除される人のない、誰しもが参加できる経済の仕組み」つくり。SDGsと唱えるのはたやすくとも、では実際、どのようにそれを具体的に実現していくのか、となったとき、私たちは何をしてきているのか、と自問してしまいます。黒柳氏の事業は、それに彼なりの回答を示し続けているといえます。
それはまだ現在進行中であり、今後のミャンマー社会の変化、経済発展によって、様々な形へ変わっていくことでしょう。発展することによって逆により排除されてしまう人々が新たに生まれてしまうかもしれません。でも「排除される人のない、誰しもが参加できる経済の仕組み」という根幹がぶれなければ、たとえ事業の形態が変わっても、事業は根づいていくことでしょう。
インドネシアと30年関わってきて、自分にとって有益だと思うのは、歴史という時間軸でインドネシアとその様々な地方の変化を見続けられてきたこと、そしてそれを今度は、インドネシアを軸として、ミャンマーなど他の世界を横軸で比較してみることができる、という点かなと思います。
ウェビナーが終わった後、日本アセアンセンターの計らいで、30分ほど、黒柳氏と二人だけで色々話を続けることができたのも有意義でした。話を聞けば聞くほど、黒柳氏らが関わっているミャンマーの地方の現場へ行ってみたくなりました。
コロナ禍が収束したら、ミャンマーでお会いすることを約束して、対話を終えました。
そう、彼とは、まだオンライン上でしか会ったことがないのです。2016年、ある研修の会合に呼ばれ、私が「コミュニティ・ビジネスとファシリテーション」についてレクチャーしたときに、黒柳氏はミャンマーからオンラインで参加されていたのでした。
そんな私を覚えていてくださって、今回の講演を引き受けてくださったのは、講演の中身を超えて、私にとっては胸が熱くなる出来事でもありました。だから、やはり、ミャンマーで生身の黒柳氏に会いたくなったという次第です。