【インドネシア政経ウォッチ】第13回 MRTと首都交通システム(2012年 10月 25日)

今月15日にジャカルタ特別州の知事就任式を終えたジョコウィ新知事は、「大量高速公共交通システム(MRT)事業に関するプレゼンテーションを早急に求める」と述べた。交通問題の専門家から構成されるインドネシア交通コミュニティ(MTI)がMRTの事業コストの高さを疑問視しているため、より安いコストで建設可能かを再検討するのが狙いだ。再検討作業に時間がかかれば、建設計画に遅れが生じる可能性が出てくる。

一部のマスコミは、事業の遅延だけでなく「白紙化の可能性もある」と報じた。知事が代替輸送手段にも言及したためである。知事は翌日、白紙化の可能性を否定して事業継続を明言した。ただ1キロメートル当たりの建設コストが、生活水準の高いシンガポールよりもはるかに高いことを引き合いに、事業コストに対する説明を求める姿勢をあらためて表明した。

MRT事業とは別に、資金難で一度は頓挫したモノレールの敷設計画が、国営アディカルヤ主導のコンソーシアムで動き始めた。もともとMRTとモノレールは、どちらかをジャカルタに適用するという話だったが、現在では両方とも必要との認識に至っている。今月19日にはアホック副知事から、「MRTとモノレールの運営を一体化してはどうか」との提案も出た。

知事は、MRT、モノレール、バスウエーなどすべての公共交通手段を有機的に統合する方法を考えている。早速、老朽化したバス車両を更新し、中型バスを冷房付きの大型のバスに代えていく構想を示した。

インドネシアでは「まずやってみて問題があれば後で考える」のが一般的である。渋滞解消待ったなしのジャカルタでは、将来を見据えた交通システムの体系化は今さら難しく、やはり「走りながら考える」ことになる。

 

http://news.nna.jp/cgi-bin/asia/asia_kijidsp.cgi?id=20121025idr022A

※この記事は、アジア経済ビジネス情報を発信するNNA(株式会社エヌ・エヌ・エー)の許可を得て掲載しております。

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