【インドネシア政経ウォッチ】第39回 ユドヨノへのネポティズム批判(2013年 5月 23日)

ユドヨノ大統領に対するネポティズム(縁故主義)批判が現れている。5月初めに、各政党から2014年総選挙立候補者名簿が選挙委員会(KPU)へ提出されたが、民主党の国会議員候補者560名のうち、ユドヨノの親族が15名含まれていたためである。

15名には、息子のイバス(東ジャワ州7区名簿順1番)をはじめ、従兄弟のサルトノ・フトモ(同州同区2番)、義弟のハルタント・エディ・ウィボウォ(バンテン州3区1番)、義弟のアグス・ヘルマント(中ジャワ州1区1番)とその息子や甥が2名、義弟のハディ・ウトモ元民主党党首の息子や甥(おい)など5名、などが含まれる。

インドネシアにおける家族の範囲は日本よりも広い。今回の15名についても、義弟の甥まで家族に含まれている。とくに、ユドヨノの妻のアニが故サルウォ・エディ将軍の娘であり、この系統の人物が15名の大半を占める。サルウォ・エディは過去に数々の軍事上の功績を上げ、今も軍人中の軍人として尊敬されている。

ネポティズム批判に対して、民主党は「有能な候補者を選んだら、たまたまそうなったに過ぎない」と反論する。これは、ネポティズム批判をかわす常套(じょうとう)文句である。

スハルト時代のファミリー・ビジネスは、この常套文句で正当化された。最初は「たまたま」でも、それが繰り返されると「定評」へ変化する。スハルトの子供のビジネスは、「プリブミの代表」という意味も加えられ、特別扱いされていった。

ユドヨノも、09年にジョージ・アディチョンドロ著『グリタ・チケアス』(訳:チケアスのタコ)でファミリー・ビジネス批判を受けたことがあり、とくに妻のアニが関わる財団が標的となった。しかし、この本はマスコミでほとんど注目されず、ファミリー・ビジネス批判は立ち消えとなった。

大統領再選のないユドヨノは、「名誉ある大統領」として歴史に名を残すため、自身への人気を気にし続けている。もちろん、ネポティズム批判の広がりを注意深く監視していくはずである。

 

http://news.nna.jp/cgi-bin/asia/asia_kijidsp.cgi?id=20130523idr020A

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