【インドネシア政経ウォッチ】第61回 鉱石輸出、条件付きで延長へ(2013年10月31日)

エネルギー・鉱物省のタムリン鉱物石炭局長は10月23日、条件付きで鉱石輸出許可を2017年1月14日まで延長する意向を明らかにした。

政府は、鉱石・石炭採掘法(法律09年第4号)と実施規則である政令12年第24号において、同法施行後5年以内、すなわち14年1月までに、未加工・未製錬鉱石の輸出を禁止し、国内に製錬工場の設置を促して、鉱業部門の川下産業を育てる計画だった。しかし現実には、14年中に建設が完了する製錬工場はなく、川下産業育成という方針を堅持しつつも、現実的な対応を取らざるを得なくなった。

鉱石輸出許可の条件には、製錬工場建設に関する事業化調査を終了していること、製錬用鉱石の備蓄が30年分以上あること、製錬工場建設の投資額に応じた保証金を国内銀行口座に置くこと、などが想定されている。仮に製錬工場が建設されなかった場合、政府が保証金を没収し、製錬工場の建設に充てる。これらの条件は、政令12年第24号の改訂およびエネルギー・鉱物大臣令で定める。

タムリン局長によると、国内で鉱業事業許可を持つ企業は数千社あるが、上記の輸出許可の条件を満たす企業は125社。うち97社はすでに製錬工場の建設に関する事業化調査を行っており、28社は工場建設に着手済みである。

実業界はこの発表を歓迎している。発表の前日、インドネシア商工会議所(カディン)は、川下産業育成方針を支持しつつも、早急な鉱石輸出禁止は貿易収支の悪化を招くとして、製錬工場の建設を進める企業に鉱石輸出を認めるべき、との見解を表明しており、結果的に政府が即応する形になった。

ただし、鉱石の国際市況が低迷する中で、製錬工場建設への資金調達が難しくなり、それが事業化調査に影響を与える可能性もある。逆に、市況がよくなれば、製錬工場建設よりも鉱石輸出が再び選好され得る。インドネシアにとっては、多少遅れても、今が川下産業育成の好機といえる。

 

http://news.nna.jp/cgi-bin/asia/asia_kijidsp.cgi?id=20131031idr022A

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