【インドネシア政経ウォッチ】第74回 トランスジャカルタの機能的進化(2014年2月13日)

首都ジャカルタの渋滞対策は待ったなしである。地下鉄やモノレールの建設が具体化し、大通りの真ん中のバスレーンを走るトランスジャカルタも新車両の導入が進む。国鉄の駅の周辺にはバイクを停める駐輪場が続々と造られ、パーク・アンド・ライドが進む。従来、その場しのぎでバラバラな対策だったのが、さまざまな対策の間の連関が見え始めてきた。

ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)州知事の渋滞対策の基本は、「いかにして自家用車から公共交通機関への切り替えを促すか」の一点に集約できる。すなわち、街中を走る自動車の台数を減らすことである。そのためには、エアコンの効いた清潔な公共交通機関が頻繁に走り、しかも行先に応じて乗り換えがしやすいことが求められる。地下鉄やモノレールの完成を待つことなく、まず標的としたのはトランスジャカルタである。

ジョコウィは、これまでのようにトランスジャカルタ自体の路線数を増やすのではなく、そこへ乗り入れるフィーダー型のバス路線を増やす形へ切り替えた。手始めに、アホック副州知事も住む北西の高級住宅地プルイットからバスレーンへ入り、独立記念塔(モナス)やジャカルタ州庁舎を回るバス路線を開設した。高所得層の通勤や買物にバス利用を促すもので、アホックもバス通勤するという。続いて、タナアバン駅からバスレーンを通ってカリバタ駅までの路線を開設し、鉄道利用者がバスへ乗り換えし易くする。以後、中低所得層居住地を結ぶ路線など計23系統の統合型路線を開設する計画である。

すなわち、トランスジャカルタを機能的に進化させていくのである。今後、トランスジャカルタの乗り場を、日本の駅ナカのような複合施設へと展開させ、乗り換え時に安心して歩ける歩道を整備し、公共交通機関に絡めたにぎわいを作り出すことも期待されよう。

トランスジャカルタの機能的進化でバス利用のイメージは好転するのか。もちろん、窃盗やひったくりなど安全面の対策も忘れてはなるまい。

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