【インドネシア政経ウォッチ】第84回 LCGCと補助金付きガソリン(2014年4月24日)

インドネシアでは低価格グリーンカー(LCGC)の販売が好調である。インドネシア自動車工業会によると、2014年1月に1万4,286台、2月に1万6,270台のLCGCが販売された。ただし、トヨタ自動車の「アバンザ」などの低価格帯の多目的車(LMPV)に比べると、LCGCはまだ半分以下の販売台数にとどまる。しかし、今後、都市での核家族化や中間層の拡大に伴って、LCGCの販売台数は増加していくものとみられる。

低価格を売り物にするLCGCは、必然的に、補助金の付いた低価格ガソリンを使う傾向が強い。すなわち、LCGCが普及すればするほど、低価格ガソリンの需要が増加し、燃料補助金を削減したい政府の方針と合致しなくなる。そこで、政府は今、LCGCに補助金付きガソリンを使わせない方策を検討中である。

エネルギー・鉱物省は、LCGCの補助金付きガソリン使用禁止を徹底させるべきだと主張するが、その具体的な方法については法的に規制する以上の具体策を示していない。国営石油会社(プルタミナ)は、ガソリンスタンドにPOSシステムを導入し、自動車のナンバーや購入者の特定ができる仕組みを試行しているが、そのデータを活用してどのように補助金付きガソリンを使った購入者に対して罰則を課すのか明らかでない。

現段階では、「ガソリンスタンドの注油ノズルの口径を変えて、LCGCに補助金付きガソリンが給油できないようにする」というハティブ財務大臣の提案が有力視されている。4月17日、ヒダヤット産業大臣も同案に同調し、プルタミナと協議する意向を示した。

これらを見る限り、政府はLCGCを普及させたいのか、させたくないのか、はっきりしない。ちぐはぐな印象を持たざるを得ない。ジャカルタ首都特別州のジョコ・ウィドド(ジョコウィ)知事の言うような、「渋滞を激化させるLCGCの普及よりも公共交通機関の整備を優先すべき」という姿勢も、政府からは見えてこない。

自動車産業を今後の工業化の柱にしたいならば、政府は「LCGCをどうしたいのか」をまず明確にする必要がある。

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