インドネシアの鉄道の旅、なかなかよい

先月、ジョグジャカルタからスラバヤへ戻るときに鉄道を利用して以来、インドネシアの鉄道での移動のよさを改めて感じ始めている。

10月15日、「サンチャカ」号でスラバヤを朝8時に定刻通り出発し、ジョグジャカルタに12時52分、定刻通りに到着した。前回、ジョグジャカルタからスラバヤまで乗った「ビマ」号は、ジョグジャカルタを出発するときに30分遅れていたが、スラバヤには15分遅れで到着した。

以前、インドネシアの鉄道といえば、時刻表はあってなきがごとし、などと言われたものだが、どうしてどうして、ほぼ定刻で走れるではないか。

スラバヤを発車する際、車内にはそれを告げる放送は一切なく、いきなりガタンと動き出した。というか、車内放送は一切ないのである。到着駅の案内など何もない。どこに着いたか、自分で確認するしかないが、車内放送がないので、とても静かなのである。

車内には車掌が検札にやって来る。その際、2名の鉄道公安員風の警備員(警察官なのだろうか)が同伴する。おそらく、不正乗車が見つかった場合に、すぐに摘発するためだろう。でも、この2名、銃器を携えるような物々しさはない。

検札のほかには、サンドイッチやナシゴレンや飲み物の売り子が頻繁にやって来る。日本の車内販売のような、車を押してくるのではなく、プレートの上に食べ物や飲み物を乗せて持ってくる。すべてプラスチックやラップに包まれている。必要な客はまず食べ物や飲み物を取り、飲食が終わったころに、別の係員が代金の徴収にやって来る。

今回乗ったエクゼクティブ車両はエアコン付きだが、冷房がこれでもかというぐらいに効きすぎていた。係員が毛布を持ってくるので、必ず受け取ったほうがよい。体中がキンキンに冷えてくる。そんななかでナシゴレンを取っても、すぐナシゴレンが冷えてしまいそうな気がして、食べる気になれなかった。

スラバヤからモジョクルトに近づくにつれ、車窓にはサトウキビ畑が広がってくる。ジョンバン付近にはプサントレン(寄宿制イスラム学校)の建物がいくつか見える。ンガンジュックに至る頃には、サトウキビ畑と水田の景色。ンガンジュックからマディウンの手前までは多くの土地が乾燥していて、一部、灌漑のあるところに水田が見られる。マディウンを過ぎてしばらく走ると、工場が目に入ってきていつの間にかソロに到着。ソロからジョグジャカルタまでは複線区間で、のどかな田園風景が広がる。車窓から見えるジャワ島中東部の農業の土地利用は、次々に様相が変わるので、見ていて飽きることがなかった。

もともと鉄道好きということもあるが、やはり、鉄道の旅はなかなかよい。20日にジョグジャカルタからスラバヤへ戻るが、これも、ジョグジャカルタ夕方発の鉄道で戻ることを考えている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください