サゴやしデンプンがコンビニで売られる時代
先週のカカオツアーで、インドネシアの西スラウェシ州ポレワリのコンビニに行ったら、サゴやしデンプンが売られていました。
まず、アルファマートで売られていたのがこれです。
製造元は、南スラウェシ州パロポ市にある業者。パロポといえば、サゴやしデンプンを使った料理や菓子の開発が盛んなところです。
次は、インドマレで売られていたもの。
こちらは、製造元がジャカルタの業者です。サゴやしデンプンを「茨粉」と中国語で書くのを初めて知りました。
ちなみに、1999年8月に、北スラウェシ州のサンギル島の市場で見たときは、サゴ椰子デンプンはこんな感じで売られていました。今も、一般の市場では、このように売られています。
サゴやしデンプンがコンビニで売られる時代になったのだなと感心するとともに、近代化の中で、廃れるのではないかと思っていたサゴやしデンプンが、こうして近代的なコンビニの中に入り込んでいるということを興味深く思いました。
なぜなら、(とくに東インドネシア地域の)多くの人々が、「サゴやしデンプンを食べているのは未開だ、遅れている」と思い込んで、サゴやしデンプンを食べるのを止め、緑の革命で増産した米を食べるようになっていったからです。
小麦粉や片栗粉のように、手軽に買えるサゴやしデンプンを使うことで、健康食材であるサゴやしデンプンがもっと注目されてもいいのではないかと思いました。
参考までに、過去の私のブログで、サゴ椰子デンプンについて書いた主なもののリンクを貼っておきます。お時間のあるときにでも、ご笑覧ください。
しかしながら、最近、サゴヤシ林はアブラヤシ園や水田になって資源量も減ってきていると言われていますね。
日本のアマゾン通販サイトでも「サゴ椰子澱粉」を売っています。また10年前に 日本の企業からサンプルを分けて頂いたことがあります。精製の段階で独特の風味がなくなって、ただの澱粉?になってしまうのかな? と感じました。パロポのサゴ椰子澱粉なら試食してみたいですね。
トウモロコシ畑になって、ネズミの害で結局トウモロコシ生産をあきらめた、なんていう話を聞いたことがあります。インドネシアのサゴやしはほとんどが天然林なのですが、勝手に生えてくるので、資源量を正確に把握しているかどうかは怪しいです。でも、政府内には、サゴやしを将来の食料危機に備えるために注目すべきという考えがあります。
サゴやしは、アレルギーのある方々向けの食材、老人食や病院食としてもっと注目されてよいのではないかと思います。
インドネシアの統計資料には、サゴヤシの項目もありますが、毎年数値が同じ地域もあり、実際には資源量は把握されていないと思います。サゴヤシ研究者の方々はじめ、長年サゴデンプンの可能性を言及されてきましたが、それが実現しないのはコストや質など様々な問題があるからだと推測されます。