ふくしま光のしずくイルミネーション
1月8日、福島を発つ前に、パセオ通りの光のしずくイルミネーションをちょっと眺めました。
今や、全国どの地方都市でも、冬にこうしたイルミネーションをつけるのが流行っています。このときは、パセオ通りを歩く人影も少なく、青っぽい色の光だったこともあり、ちょっと寂しい感じがしました。
寂しい感じ・・・。それは、45年以上前のにぎやかなこの通りをどうしても思い出してしまうからです。
あの頃、私がまだ小学生だった頃、この通りは、すずらん通りという名の福島で最もにぎやかなアーケード商店街でした。
おもちゃを買うのはトイランド、運動用品はオノヤ、文房具はくさの、美味しい果物は阿部庄、音楽関係はあきたやか日野屋、といった名店が揃っていました。
トイランドもくさのも、とっくの昔になくなってしまいました。オノヤは別の場所へ移転しましたが、あとの店はまだパセオ通りに健在です。
子どもの頃、母親や弟たちとトイランドへ行くのがどんなに楽しみだったことか。くさので好きな文房具を選ぶのがどんなにうれしかったか。
私の子ども時代の思い出がすずらん通りにはいっぱいありました。
45年以上経って、再びあの頃を思い出しながら、その年月の長さと移ろいゆく街の景色をずっとかなたに眺めていました。
そこにきらめいていた光のしずくイルミネーション。
私には、どうしても、力がなくなって弱くなってしまった街の涙のように思えて仕方がありませんでした。
時代は変わったんだよ、と、パセオ通りという名になった元すずらん通りがポツリとつぶやいた気がしました。
ユーミンの「あの日に帰りたい」を口ずさんでしまいました。