歳を一つ重ね、父の早期退職の歳を思い出す

1月26日、歳を一つ重ねた。亡き父が定年2年前に早期退職したときの歳と同じ歳になった。

あのとき、父はなぜ早期退職を決意したか。それは私が大学を卒業し、就職するからだった。区切りが一つ付いた、と言った。

定年まで辞めなければ、県内のある組織の会長になっていたことだろう。でも、父は、そうした会長という職務に名誉や価値を感じていなかった。面倒くさい、と言った。

第二の人生を送りたい、とも言っていた。その頃の父は、中国やタイからの留学生の世話をし始めていた。退職後は、そうしたささやかな国際交流をしたいと願っていた。

その時から亡くなるまで、約25年間、留学生などと触れ合い、元気だった頃は、年に1回程度、友人たちと海外へ旅行に出かけていた。とても楽しそうだった。

そんな父が、人生における一つの区切りをつけた歳に、私も届いた。

退職という意味では、父の歳よりずっと前、今から12年前に私は自分で早期退職した。そこで自分なりの区切りをつけた。

自分のやりたいことの、第二のステップへ向かうために。

でも、この12年は、決して順風満帆ではなかった。ときには、自分なりの区切りをつけたことを後悔もした。生き方が下手だと自分を責めさえした。

父が早期退職した歳と同じ歳になった自分は、今でも現在進行形のままだ。自分の判断や生き方が正しいのか、適切なのかも確証を持てないまま、もがき続けながら、前へ進もうとする毎日を送っている。

他人とは比べない。もう比べられない。自分の道を歩むしかない。

父よ、私はまだ終わらない。前へ進む。やるべきことはまだまだたくさんある。まだまだ心細いかもしれない私だが、どうか、ほほえみながら見守っていて欲しい。

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