【ぐろーかる日記】7月のオフ会終了、今回取り上げたのはこの本!

2020年7月25日(土)日本時間午後3時から、情報ウェブマガジン『よりどりインドネシア』の購読者の皆さんを対象にしたオフ会をオンラインで行いました。今回は、私を含めて12名が参加しました。

今回のテーマは「私のおすすめの本」。当初、何人かに本の紹介をしてもらう予定だったのですが、結局、最初に紹介していただいた一冊の本をめぐる話に終始し、オフ会を終了しました。その本とは、倉沢愛子著『インドネシア大虐殺』です。

話題提供者としての参加者のお一人から、内容をおおまかに紹介していただき、その方自身の感想を述べてもらいました。参加者のなかで、すでにこの本を読んでいたのは、私も含めて3~4人でした。

話題提供の後は、参加者がゆるりと自由に対話する形に。

対話の中では、インドネシアで9・30事件と呼ばれるスカルノの時代からスハルトの時代へ移っていく重要なきっかけとなった事件(インドネシア政府の公式見解では、インドネシア共産党によるクーデター未遂事件。諸説あり)の真実をめぐる話よりも、その後の共産党シンパ狩りに伴う普通の人々による虐殺から派生して、インドネシアの治安当局による思想スクリーニングをめぐる話で盛り上がりました。

私も含めて、インドネシアで外国人が滞在許可手続を行う際の、警察やイミグレとのやり取りに関するいくつもの経験談が交わされました。これがなかなか面白かったのです。

たとえば、私が1990年に、イミグレ以外に、ジャカルタの警察で滞在許可手続きをした際、渡された許可申請書には、9・30事件が起こった1965年9月30日にどこで何をしていたかを書く項目がありました。それだけでなく、私の父親、母親、兄弟についても、そのときどこで何をしていたかを書く項目がありました。

さすがに今は、外国人に対して、イミグレや警察でそのようなことを滞在許可手続の際に書くことはないようです。それでも、ある参加者の方は、警察で手続をした際に、自分が過去に申請したときから滞在中の行動等に関する個人データが細かくコンピュータ内に記録されてあったことに驚いたといいます。

私たちの知らない間に、インドネシアのイミグレや警察は我々の行動を監視していて、何かあれば記録に残している、私たちが意識することはないにせよ、外国人はやはり監視されている、ということを改めて実感しました。

スハルトの時代が終わり、民主化の時代になったとはいえ、かつての共産党関係者の家族や子孫に関する記録は今も残っていて、いつでも監視できる状況にあるのではないか、ということが十分に予想できます。同様に、イスラム過激主義者やその家族もまた、テロ対策の観点からしっかりと監視されているのは確実です。

このように、『インドネシア大虐殺』に描かれた赤狩りが起こりうるベースは、今もあり、それは、昨今のパンチャシラ法案をめぐる議論のなかで、再び、一部で現れている、共産主義の脅威への警戒を呼び掛ける言説のなかにもうかがえます。

まあ、こんな感じで、ちょっとセンシティブな話も交えながら、参加者全員が自由にゆるりと対話できた2時間でした。

オフ会を購読者限定で行うのは、ちょっとセンシティブな話も安心して話せる環境を作りたい、という面もあります。

さて、次回ですが、今のところ、8月29日(土)日本時間午後3時から、『よりどりインドネシア』購読者に限定したオフ会を開催する予定です。取り上げるテーマは、「今、社会変革を目指すインドネシアの若者たち」(仮称)です。

このテーマは、メディア報道など表面になかなか出てこないものですが、今後のインドネシアを見ていくうえでは、とても大事なテーマだろうと思います。学会報告のような論理的でカチッとした議論というよりも、参加者の皆さんと一緒に、若者の動きについて情報交換しながら、その行方と現代社会における意味、そしてそれが2024年以降のポスト・ジョコウィの時代がどうなるか、などについて自由な雰囲気でいろいろ考え、対話できればなあと思っています。

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