入れなかったジョグジャのきのこレストラン

ジョグジャカルタの郊外、スレイマン県にきのこ料理のレストランがあるというので、知人と一緒に昼食に出かけました。

このレストラン「ジェジャムラン」(Jejamuran)、全てのメニューがきのこづくしということで、まあ、よくある地方のちょっとしたレストランだろうな、というような、あまり期待もしない、軽い気持ちで行ったら、とんでもない状況でした。

とにかく、店が広い。そして、その店が満員で、たくさんの人々が並んで待っているのでした。

きのこだらけ

きのこづくし

「しめじ」の看板

「舞茸」?の看板

奥では拡張工事中

たまたま、今日は「全国先生の日」(Hari Guru Nasional)のようで、学校がお休みらしいのと、ちょうどムスリムの金曜礼拝が終わった後、ということで混んでいたのかもしれません。でも、第一駐車場も、第二駐車場も、第三駐車場も満杯なのです。

このレストランは、様々なきのこ料理を出すだけでなく、値段も安いのが特徴のようです。今では、ジョグジャカルタ周辺だけでなく、ジャカルタや外国からも客が来る、観光スポットの一つとなっているようです。

きのこだけで、これだけ人が集まるとは驚きです。

このレストランの経営者ラティジョ氏は、1968年からきのこ栽培を始め、ディエン高原にきのこ栽培会社を立ち上げて、一時は7000人を雇用し、海外へ輸出していました。

そういえば、1993年にディエン高原へ行ったときに、大きなマッシュルーム栽培加工を行う会社があったのを思い出しました。当時のディエンでは、マッシュルーム・チップスが有名なお土産品でした。

しかし、ディエン高原の会社は、その後、経営が悪化して倒産してしまいます。ラティジョ氏は1997年、机一つで道端できのこ料理を売り始めました。客の多くはトラック運転手や田んぼから帰って来る途中の農民でした。これがレストランとなるのは2006年でした。

料理人には地元のお母さんたち、その他の従業員には、当時、砂などを運搬する人夫だった地元の若者たちに声をかけ、一人一人面接しながら雇っていったということです。他にも同業のきのこレストランができたそうですが、結局、途中で消えていったようです。

それにしても、ラティジョ氏のきのこ一筋の波乱万丈の人生を思いつつも、このレストランの繁盛ぶりはすごいとしか言いようがありません。

結局、我々は入るのをあきらめました。

たかがきのこ、されどきのこ。いつかまた、訪れてみたいと思います。

ジョグジャのワンタン麺は・・・

11月24日の夜、ジョグジャカルタでワンタン麺のはしごをしました。

ジョグジャカルタで麺を食べる、というのはある意味邪道かもしれません。というのも、ジョグジャカルタなどでこれまでに食べた麺は、コシのない麺ばかりで、美味しいと思ったものは皆無だったからです。

ミー・ジャワ(Mie Jawa)というジャワの麺があり、ガジャマダ大学の学生たちに「おいしいところがある」というので連れて行ってもらったことがあるのですが、やっぱりコシのないベチャッとした麺で、それを嬉々として食べている学生たちの味覚は違うのだ、と自分を納得させようとしたものでした。

今回食べた2箇所のワンタン麺は、その意味でいうと、麺のコシはそれなりにあり、シコシコと食べられました。どちらも、値段は1杯1万ルピア程度と、ジョグジャカルタということもあって、かなり安かったです。でも、実際に食べてみたら、その安いということの別の意味がわかってしまったのです。

その意味とは・・・。ワンタンの中に具が入っていない!! ゆでワンタンもあげワンタンも、ワンタンの皮だけなのでした。おーっ、ワンタン麺よー。

他の店は知りませんが、少なくとも今回食べた2軒とも、ワンタンの具がなかったのでした。もしも、これがジョグジャカルタのワンタン麺の標準なのだとしたら、値段は安くとも、ちょっと残念です。

今週はジョグジャカルタ

11月5日に帰国して、2週間後、再びインドネシアです。今回の出張先はジョグジャカルタのみです。

実は、私には愛知県立大学多文化共生研究所の共同客員研究員というステータスがあり、そのステータスで、ジョグジャカルタの国立ガジャマダ大学にて、愛知県立大学のプログラムの一部を担当するための出張なのです。

内容は、ガジャマダ大学政治社会学部の学生向けに特別講義を行った後、愛知県立大学のプログラムで日系企業へのインターンを予定している学生9人の面談・カウンセリングを行います。

これは、これまでも3回ほど過去にやってきたプログラムで、個人的には、学生たちと面談していろいろ話を聞くのが楽しみです。彼らが自分の将来をどんなふうに考えているのか、日本や日本企業に対してどんなイメージを持っているのか、これからどんな社会を作っていきたいのか、といった話が展開し、思わず彼らの本音が聞こえてくるからです。

ずっと思っていることなのですが、日本の学生たちとも、インドネシアの学生たちとも、こんな風にして話をし、本音を聞けるような機会があると、彼らはやはり同じ時代を共有しているのだなと思える反面、未来への期待という面ではこんなに違うのか、という感慨を持ったりすることもあります。

少し前のブログで書きましたが、日本でもインドネシアでも、若者たちが本音を出せるような場づくりをしてみたいと思うようになりました。それは、年配者が若造を教育する場ではなく、お互いが上下の意識なしに自分の思うことを自由にいい、互いにそれを聞き、尊重しながら、アプローチは異なっても、新しい解を一緒に探していけるような場づくりです。ディベートのような勝ち負けを求めるのではなく、自分たちが予想もしていなかったような解を見つけ出せるダイアローグを志向したいのです。

短い期間ではありますが、こうしてインドネシアの大学で学生とじっくりコミュニケーションできる機会があるのはとてもありがたいことです。

前回のJICA案件のときのように、毎日移動で宿泊先が変わるということは今回はなく、ずっとガジャマダ大学の構内にある宿舎に5泊します。ガジャマダ大学の仕事のときにはいつもお世話になっている宿舎で、今日も、管理人ご夫妻と再会を喜び合いました。この宿舎の朝食のナシゴレンが美味しくて、楽しみなのです。

予定もあまり入らず、夜も長く過ごせそうなので、ゆったりした気分です。宿舎のインターネットも快適で、今夜は、ショパンを聴きながら過ごしています。