【インドネシア政経ウォッチ】第65回 ジャワ島の14年最低賃金を読む(2013年11月28日)

11月になり、各県・市の2014年最低賃金が決定された。政府は14年の最低賃金に関して「消費者物価上昇率+10%以下(労働集約産業は+5%以下)」という目安を提示したが、今年ほどではないにせよ、14年も20%前後の高い上昇率となった。

ジャワ島内では11月25日までに、112県・市のうちバンテン州セラン県を除く111県・市の14年最低賃金が決定した。最高が西ジャワ州カラワン県第3グループ(鉱業、電機、自動車、二輪車など)の281万4,590ルピア(1円=112ルピア、以下同じ)、最低が中ジャワ州プルウォレジョ県の91万ルピアであり、その差は3倍以上ある。

地域別にみると、ジャボデタベックと呼ばれるジャカルタ周辺の県・市が235万ルピア以上だが、そのすぐ後には、東ジャワ州スラバヤ周辺が続いている。スラバヤ周辺の最低賃金はもはや決して低いとは言えなくなった。スラバヤ周辺に続くのが西ジャワ州バンドン周辺で、このあたりで最低賃金200万ルピアの線が引ける。

一方、中ジャワ州とジョクジャカルタ特別州は相対的に最低賃金がまだ低い。最高でも前者ではスマラン市の142万3,500ルピア、後者ではジョクジャカルタ市の117万3,300ルピアにとどまる。特に、中ジャワ州の中央から南側に立地する9県では最低賃金が100万ルピア未満である。

ちょうど100万ルピアは、中ジャワ州に4県、東ジャワ州南西部に6県・市、西ジャワ州に1県ある。これらはいずれも、各州内で開発の遅れた地域に属しており、最低賃金水準から地域内の経済格差の様子が見えてくる。

昨今、ジャカルタ周辺の工場が中ジャワや東ジャワへ移転する動きが見られるようになったが、一般に、最低賃金の低い県・市では、投資認可関連手続きの経験が不足しており、企業設立などで時間的・資金的なロスが生じる可能性がある。企業進出に当たっては、最低賃金水準だけで決めるのではなく、行政サービスの質やインフラ状況などを総合的に判断する必要があるのは言うまでもない。