聞き書き甲子園イベントでの出会い
昨日と今日は、東京大学弥生講堂で開催された「聞き書き甲子園15周年記念イベント」に出席しました。聞き書き甲子園については、以下のページをご参照ください。
聞き書き甲子園を簡単に説明すると、聞き書きという手法を学んだ高校生が毎年100名、夏休みに森や川や海の名人に会いに行き、名人から聞き書きをし、それをテープ起こしして文章化し、名人の一人称の文章にまとめて作品に仕上げる、という事業です。
毎年3月に、名人を招いて、その作品の発表会を行うのですが、今年は15周年ということもあり、これまでの15年の軌跡を振り返り、新たな聞き書きの可能性を展望するための記念イベントが2日間行われました。
私はかなり初期の頃からこの聞き書き甲子園に興味を持ち、事業を運営するNPO法人共存の森ネットワークの会員にもなっています。また、インドネシアでの高校生を対象とする聞き書き甲子園インドネシア版の準備段階で間接的に少しお手伝いもしました。
聞き書きの効能については、また別途、論じてみたいと思いますが、森や川や海の名人の代々受け継いできた技や心を敬い、それを次世代へ受け継ぐ関係性を改めて認識する契機となるものだと思います。ただし、聞き書きが地域おこしの特効薬になるかというと、そうではなく、地域おこしを促していくもっと底流にある何かを掘り起こす役割を果たすような気がします。
今日も、幾つかの出会いがありました。このイベントで、前々からお会いしたいと願ってきたK先生とようやくお会いできました。大学ゼミの大先輩であり、敬愛する宮本常一氏に直接師事されたK先生との出会いは個人的にとても嬉しく、至福以外の何物でもありませんでした。立ち話で色々とお話することができ、話をすればするほど、もっとゆっくりお話をうかがいたくなりました。
K先生のほか、K氏との出会いも嬉しいものでした。聞き書きやNPO活動に関する共通の友人の名前が何人か挙がり、よそ者が地域づくりに関わる際の弊害などについて話が盛り上がりました。K氏からも色々と学びたいと思いました。
昨日も今日も暖かく穏やかな1日だったので、東京大学弥生講堂まで自転車で往復しました。イベントも終わって、主催者のNPO法人共存の森ネットワークの皆さんにお礼の挨拶をして、自転車に乗って、東大前の横断歩道を自転車で渡ったとき・・・。
その横断歩道に立っていたマスクをかけた女性を目が合いました。ええ〜っ!
15年前、東京外大の非常勤で「インドネシア経済論」を教えたときの教え子でした。彼女もびっくりしていました。早速、近くの喫茶店で小一時間、色々な話をしました。フェイスブックではつながっていましたが、どうしているかなあと思っていた教え子だったので、とても懐かしく、とても嬉しいひと時を過ごせました。
今日も、素晴らしい出会いに感謝。