ウガンダでの1週間(1)
ウガンダには8月2〜9日の8日間滞在した。今回は、ウガンダ在住の友人KNさんとそのご家族に何から何までお世話になった。
まず、入国の際に、50米ドルを支払って到着時査証をとる。このときに、係官から「どうしてケニア、ウガンダ、ルワンダ3ヵ国共通ビザを取らなかったんだ?普通はそれを取ってくるもんだ」というので、「ケニアに寄らないし・・・」とか色々説明していたら、「ちょっと訊いてくる!」といって退席し、5分後にOKといって到着時査証をパスポートに貼り付けてくれた。
KNさんの運転手がエンテベ空港に迎えに来てくれ、カンパラのホテルまで送ってくれた。エンテベからカンパラまでは一本道で、ときには渋滞で2〜3時間もかかると聞いていたが、途中で渋滞したものの、運良く1時間ちょっとでホテルに到着した。
カンパラの宿はシャングリラ・ホテル。旧名は上海ホテルという。レセプションは階段を上がった外にある机一つ。「クレジットカードの読み取り機がちゃんと動くかなあ?」などという状態で、絶対に「なんちゃってシャングリラ」と信じていた。実は、本当にシャングリラ系列だと別の知人に教えてもらった。
このホテル、見た目以上に基本がしっかりできていて、シャワーの温度調節に難があるほかは、インターネット接続をはじめ、部屋の設備やアメニティにも手抜きがなく、ランドリーはタダという、なかなか居心地の良いホテルだった。
かつての職場の先輩アフリカ研究者の定宿だったそうであり、日本人客の利用も多いようで、たくさんの日本語の書籍が置いてあった。
朝食はお庭で。小さい傾斜のある庭だが、これがなかなか素敵な空間である。
ウガンダに来て感じたのは、人々の表情が豊かで、融通がきくゆるさだった。タンザニアやルワンダよりもずっと英語が通じるせいか、ホテルの従業員に冗談を言ったり微笑んだりすると、ちゃんと反応してくれる。ちょっと、インドネシアに似た感じだった。
融通がきくといえば、カンパラから車で4時間のグルという都市へ行ったときのこと。その日は8月3日(日)で、夕方6時頃、無線Wifiルーター用のSIMを探していた。ようやく見つけた店には鍵がかかっており、閉店の様子。でも、まだ中に職員がいる。
ダメもとでノックすると、何と職員がやってきて鍵を外し、「中に入れ」という。こうして、めでたくSIMをゲットできた。ある人は「きっとその日の唯一の売り上げだったかもよ」と言っていた。
ウガンダでは、幹線道路のいくつかのポイントに交通警察が張っていて、車を止めてはチェックする。とくに、シートベルト着用は厳しく見られる。筆者はそれに気づかず、シートベルトをしないで後部座席に座っていたのだが、交通警察が鬼の子を取ったようにニコニコしながら「はい、罰金でーす」と近寄ってきた。
「ウガンダに昨日来たばかりなんですー」と言い訳しても、「イイですかあ?この表にシートベルト未着用は2万シリング(約800円)と書いてありますねえ。払ってくださいねえ」と言い寄る。払ってあげたら、とても嬉しそうだった。ウガンダは汚職がひどいらしく、なかでも警察はその筆頭。インドネシアもそうだったなと思いだした。
タンザニアやルワンダと同様、ウガンダで道路を走る車はほぼ9割以上が日本車、しかも中古車である。トヨタが圧倒的に多い。ルワンダは左ハンドルだが、それでも日本車が多かった。日本を始めとして、世界中から日本車の中古車がここに集まってくる。10年程度のものは、ここでは新車扱いなのだという。
それらの中古車には、かつて使われていた会社や組織の名前がついたまま走っているものが少なくない。加えて、いったん消したものの、新たに怪しげな漢字を施した中古車もみかける。何と書いてあるのか、解読不能だが、おそらく、漢字らしきものがあると、高く売れるのかもしれない。
中古車がほぼすべてのこの国では、おそらく今後、自動車を作るということは起こらないだろう。これらの国が中古車を輸入してくれるから、日本などでは安心して車の買い替えが行えるのだと思った。そして今後は、タイやインドネシアなどからの中古車輸入へシフトしていくのではないか。
これらの国で日本からの中古車が使われた後、どうなるのかというと、ボディは鉄板として使われ、その他部品は売買される。ここが中古車の最終目的地のようである。