上野駅から富岡駅へ

上野駅から特急「ひたち」に乗り、終点のいわき駅(昔は平駅だった)で乗り換え、富岡駅まで来た。

いわき駅から富岡駅までは普通列車だが、車輌は、昔の「スーパーひたち」の旧特急車輌で、乗り心地抜群。いわきと富岡の間を1日に2往復しているというが、それに乗れてラッキーだった。

富岡駅から見る風景には感慨深いものがある。

この写真は、2015年9月19日に撮影した、富岡駅の様子。ホームは残っているが、その向こうには、フレコンバッグの山が積まれているだけだった。

富岡駅の周辺もきれいに整備されていた。崩壊した建物はなくなり、新しい建物が立っていた。当時、駅すぐの場所にあった慰霊碑は、見当たらなかった(下の写真は2015年9月19日)。

常磐線は、富岡駅=浪江駅の間がまだ不通。来年2020年3月には全線復旧・開通となるばく、工事が進められている。それに合わせて、あの夜の森の桜並木も、避難困難区域を解除して、観られるようにしたいそうだ。

現在、夜の森の桜並木の一部は、まだ通行できないままだ。

渋谷敦志「まなざしが出会う場所へ」写真展をみて

どうして
見つめ返すのか
困難を生きる
人びとの眼を

今日(6/8)、友人である写真家・渋谷敦志さんの「まなざしが出会う場所へ~渇望するアフリカ」という写真展を観に行ってきました。場所は、東京・ミッドタウンのフジフィルム・スクエア1階の富士フィルム・フォトサロンです。

写真展の詳細は、以下のサイトをご覧ください。

 困難を生きる人びとのまなざしに向き合う
 【写真家たちの新しい物語】
 渋谷敦志写真展「まなざしが出会う場所へ —渇望するアフリカ—」

この展覧会は、2019年1月に出版された彼の著書『まなざしが出会う場所へ ― 越境する写真家として生きる』を踏まえて、とくにアフリカで出会った様々な「まなざし」を伝える写真展でした。


ちょうど今日は、午後3時から、渋谷さんのギャラリートークがありました。トークでは、彼のこれまでの写真家としての人生、写真にかける思い、アフリカで出会った様々なまなざしとその背景、これからのことなどが話され、写真展に来られた方々が熱心に耳を傾けていました。

飢餓や戦闘の現場で、写真家としての無力感を感じ、実際に現場で役に立つことをしなければならないとして、写真をやめようと思ったこと。

それを何度も繰り返しつつも、写真家として、そのまなざしが出会う場所に、自分が居ること自体に重要な意味があると納得できるようになったこと。

渋谷さんは、そうした苦しみのなかから、自分なりのオリジナルな写真家としてのスタイルを確立しようとし続けていました。

掲げられた写真にある一人一人のまなざしと向かい合いながら、彼らの人生を思っていました。そして、彼らにとって、ふと現れた一人の写真家のまなざしはどのように受けとめられたのか、考えていました。

決して言葉で理解し合えるわけではない。でも、そこで出会ったまなざしが、出会った双方の人生にとって、何らかの意味を持つということはあるかもしれない。

少なくとも、まなざしの相手のことを思える想像力は持ち続けていたい、と思いました。

写真展は、東京では6月13日まで、その後は、富士フィルム・フォトサロン大阪で6月21日~7月4日まで開催です。

皆さんも是非、アフリカの方々の様々なまなざしに出会いに行かれてみてください。そして、渋谷さんの著書『まなざしが出会う場所へ ― 越境する写真家として生きる』も、是非、読んでみてください。