「よりどりインドネシア」月例オフ会(6/27)開催

私が主宰している情報ウェブマガジン「よりどりインドネシア」のオフ会の開催予告をしておりましたが、下記のとおり、開催することになりましたので、お知らせします。
 2020年6月27日(土):
 日本時間の午後2時~(出入自由で2時間ぐらいを想定)
オフ会は無料で、ZOOMにて開催します。すでに、10名以上の方から参加表明が来ています。参加ご希望の方々へは、ZOOMへのアクセスURLを後ほど送らせていただきます。
すでに、「よりどりインドネシア」に執筆いただいている複数の方々から参加表明をいただいております。内容については、第1回ということもあり、参加者の自己紹介の後、「インドネシアと日本で新型コロナウィルスと付き合う日々をどうおすごしですか」(仮題)と題して、新型コロナの日々をどう暮らしているか、インドネシアと日本とで何が同じで何が違っているか、日本がインドネシアから、インドネシアが日本から学べることは何か、といったテーマで、参加者どうしが自由にゆるく語り合える機会にしたいと思います。
今後、オフ会は毎月、テーマを決めて開催したいと考えています。今回のオフ会で次回(7月)のオフ会のテーマも決めてしまいたいと考えています。
オフ会の司会は、僭越ながら、私が務めさせていただきます。
なお、誠に恐縮ですが、このオフ会は、「よりどりインドネシア」購読者を対象としております。ご興味のある方は、是非、この機会に購読者登録をし、仲間に加わっていただければと思います。購読者は、このオフ会への参加はもちろん、過去71本のバックナンバーをお読みになることができます。
ご購読は以下のサイトより、ご登録いただけます。
あるいは、PDF版での送付をご希望の方は、松井(matsiu@matsui-glocal.com)までメールにてご連絡ください。
いずれも、購読登録された後、1ヵ月間の無料お試し購読期間があります。
登録された方へは、登録確認後、すぐに6月27日のオフ会用ZOOMへのアクセスURLを送らせていただきます。
『よりどりインドネシア』最新号(第72号)は、これまでにない盛りだくさんの内容で、2020年6月22日に発行予定です。いくつものインドネシアを皆さんと一緒に知り、楽しんでいければと思っています。よろしくお願いいたします。
日本軍が掘った防空壕の入口。一体は公園化され、観光地となっている。
ちょうど約1年前に訪問した。(2019年6月23日撮影)

「よりどりインドネシア」オンライン月例オフ会について

いつも「よりどりインドネシア」をご愛顧いただき、ありがとうございます。おかげさまで、2017年7月の発刊以来、3年が経過しようとしております。この間、毎月2回、休みなく発行できたのは、皆様のご支援によるものと深く感謝申し上げます。
2020年7月から4年目に入るこのタイミングで、今後、購読者の皆様を対象とした定例オフ会をオンラインで毎月開催したいと考えております。
定例オフ会では、その時々のホットな話題や執筆した作品をめぐるディスカッション、執筆者による生出演、その他の様々なインドネシア情報を含め、購読者の皆様と一緒に内容を色々考えていきたいと思っております。
記念すべき第1回オフ会を6月中にZOOMにて開催したいと考えております。現在、購読者の皆様へ日程について照会中です。来週には日程を確定できるものと思います。
このオフ会は、「よりどりインドネシア」購読者を対象としております。ご興味のある方は、是非、この機会にご購読いただければと思います。購読者は、このオフ会への参加はもちろん、過去71本のバックナンバーをお読みになることができます。
ご購読は以下のサイトより、ご登録いただけます。
あるいは、PDF版での送付をご希望の方は、松井(matsiu@matsui-glocal.com)までメールにてご連絡ください。
購読者の皆様と一緒に、楽しく面白い「よりどりインドネシア」のコミュニティを作っていければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ゴロンタロ市南部の漁村で出会った子どもたち(2007年1月20日撮影)

よりどりインドネシア第71号を発行しました

毎月2回、いくつものインドネシアを伝えたいと思って発行している「よりどりインドネシア」。おおよそ毎月7日と22日に発行していますが、6月7日、第71号を発行しました。
カバー写真(上)は、南スラウェシ州の農村でキャッサバを茹でているおばさんです。茹でたキャッサバを発酵させたタペという食品を作り、マカッサルへ売りに行きます。
「よりどりインドネシア」第71号の内容は、以下の通りです。
●スラバヤの東南アジア最大の売春街は今 ~中小企業センターへの変貌~(松井和久)
松井の原稿はコロナ関連を一休みし、閉鎖されたスラバヤの元売春街ドリーを変え始めた活動について紹介しました。東南アジア最大規模だったドリーはどうなるのでしょうか。
●ロンボクだより(32):ジン(精霊)と信仰(岡本みどり)
岡本さんの連載はジン(精霊)のお話です。果たして、ジンはイスラムの信仰とどのような関係でロンボクの人々に捉えられているのか。興味津々です。
●ラサ・サヤン(5)~姪たち~(石川礼子)
石川さんのラササヤンは今回も読み応えある内容になりました。石川さんの姪に対する眼差しに思わずホロリとしてしまいそうです。
●いんどねしあ風土記(17):あるイスラム教徒からみた新型コロナウィルス感染流行 〜ジャカルタ首都特別州~(横山裕一)
横山さんの連載は、イスラム教徒がイスラムの観点から新型コロナウィルス感染をどのように見ているのかを明らかにしています。納得できる面も感じられます。
上記のサイトから読者登録をしていただくことで、お読みいただけるようになります(有料購読となりますが、最初の1ヵ月は無料期間です)。
また、サイトからの読者登録以外に、同じ内容をPDF版にしたものを指定メールアドレスへ毎回送付する、という方法もあります。PDF版での送付をご希望の方は、お手数ですが、メールにて matsui@matsui-glocal.com までお知らせください。
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今回は、よりどりインドネシアの発行の裏話を少ししたいと思います。
いつものことなのですが、常連執筆者の皆さんから原稿をいただき、それを読みながら、体裁を整え、誤字・脱字等をチェックし、写真のサイズを調整するなどして原稿を編集。編集済みの原稿をいったん執筆者へお返しして再チェックしてもらい、必要であれば、加筆修正をしてもらい、最終稿を受け取ります。
最終稿を受け取った後、どこまでを無料部分にするかを判断したうえで、パブリッシャーズという雑誌掲載サイトにアップします。
この作業と並行して、私自身の原稿を書いていきます。毎月2本、何かを必ず書くという作業は、これまでにもありました。かつて、インドネシアに住んでいたときには、NNA(ニュースネットアジア)という媒体に「インドネシア政経ウォッチ」というコラムを月2回、全部で150本書きました。それでも、時によっては、題材を探すのが難しく、ギリギリまで何を書くかが決まらないこともたびたびでした。
それでも、何かを書かなければいけない、と自分に課して、何とか書いてきました。その時々によって、自分なりに出来栄えがよいときとあまりよくないときがありますが、自分で納得できるレベルはキープしたいと努めてきました。かつて、論文執筆を生業としてきたときのような厳密さや論理性を追求し、何度も数え切れないほど推敲するといったプロセスを経ておらず、限られた時間で、一般の方々向けに書くという作業なので、論文とは別物という意識で原稿を作成しているのが現状です。
このところ、ずっと新型コロナウィルス感染のことを書いてきていたので、今号についてはどうするか考えているうちに、今回は一回休みにして、前々から書こうと思っていた、スラバヤの元売春街の話を書くことにしました。
こうして、私の原稿を書き上げて、それをパブリッシャーズへアップした後、すべての原稿をまとめて、PDF版を作成します。その際、ページ送りなどの最終チェックをします。そして、PDF版での購読をしていただいている方々のメールアドレス宛にPDF版を送って、ようやく発行作業は終了です。
一連の作業をしながら、自分は編集の作業が好きなのだなあとつくづく思います。昔の職場でも、印刷所へ原稿を渡す前に、編集や校正の作業をするのが楽しかったことを思い出します。
そうはいっても、発行直前の数日は、何時間も集中して机に向かっているため、まあ年齢的な面もあるのかもしれませんが、けっこう疲労困憊になります。
そんな時間を毎月2回、経験するようになって、次回の第72号で3年目を終えます。7月からは4年目に入ります。
3周年を迎えるのを契機に、購読されている方々向けのオンラインでのオフ会や、特定のテーマを決めたウェビナーの開催を検討しています。詳細が固まりましたら、またこのブログ等を通じて、皆さんにお知らせしたいと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。

よりどりインドネシア第70号を発行しました

ウェブ情報マガジン「よりどりインドネシア」第70号を2020年5月22日に発行しました。
この情報誌は、日本語の一般的なメディアでは報道されない、いくつもの様々なインドネシアを伝えることを目的として、2017年7月から毎月2回、休まずに発行を続けています。もうすぐ3年になります。
とくに、インドネシアに長年にわたって暮らしている方々に、生活者の視点でみたインドネシアの様子を描いてもらっているのが特徴の一つです。
毎回、色々なカバー写真を掲載していますが、それらは私がこれまでに撮ったものです。今回は、中ジャワ州スマラン駅にたたずむポーターのお兄さんです。
「よりどりインドネシア」第70号の内容は以下の4本です。
●インドネシアと新型コロナウィルス対策(6):新型コロナウィルス感染状況と「ニュー・ノーマル」(松井和久)
断食明け大祭を前に新型コロナウィルスは地方へ拡散しています。5月に提示された「ニュー・ノーマル」についても触れました。
●ウォノソボライフ(29):医療のあゆみと生老病死(神道有子)
神道さんの連載は、ジャワの農村で医療が過去からどのように発展してきたかとともに、人々の病気や死に対する気持ちも描いています。
●スマラン、それぞれのコロナの日々(太田りべか)
初登場の太田りべかさんはスマラン在住の翻訳家です。新型コロナウィルスとの日常を生活者の視点から描いてくださいました。次の投稿が待ち遠しいです。
●いんどねしあ風土記(16):パンデミックに振り回された日本留学〜西ジャワ州スムダン~(横山裕一)
今回の横山さんの連載は、新型コロナウィルスの影響で、日本留学が延期となったバジャジャラン大学の先生の話です。留学はいつ実現するのでしょうか。
上記のサイトから読者登録をしていただくことで、お読みいただけるようになります(有料購読となりますが、最初の1ヵ月は無料期間です)。
また、サイトからの読者登録以外に、同じ内容をPDF版にしたものを指定メールアドレスへ毎回送付する、という方法もあります。PDF版での送付をご希望の方は、お手数ですが、メールにて matsui@matsui-glocal.com までお知らせください。
なお、発行開始から3年を迎える2020年7月から、新料金の適用を検討中です。まだ決定はしておりませんが、6月までにご購読を開始いただければ、旧料金の適用となります。この機会に、ご購読をご検討いただけますよう、よろしくお願いいたします。

先ほど、ようやく『よりどりインドネシア』第69号を発行

柿の花を見たことがありますか

毎月2回、おおよそ7日前後と22日前後に、ウェブ情報マガジン『よりどりインドネシア』を発行しています。

今日も、昼前からずっとこもって、編集作業プラス自分の原稿を書き上げて、先ほど午後10時半過ぎ、ようやっと発行しました。

第69号のカバー写真です。

第69号の内容については、以下のサイトをご覧ください。

 https://yoridori-indonesia.publishers.fm/issue/4843/

2017年7月1日発行の創刊準備号(第0号)から始まり、今日まで、欠版を出すこともなく、毎月2回、発行し続けて、第69号までこぎつけました。バックナンバーの第0号から第19号までは無料全文公開しています。

バックナンバーはこちらから → https://yoridori-indonesia.publishers.fm/backnumber/

『よりどりインドネシア』を発行しているのは、様々なインドネシア、いくつものインドネシアをお伝えしたいと願っているためです。

ともすると、日本でお目にかかるインドネシアの情報は、観光地のバリ島か、ビジネス関係者の集まる首都ジャカルタかの2つに偏る傾向があります。

もちろん、そこに日本人の情報に関する需要があるので、日本のメディアの関心はバリ島とジャカルタに集中してしまうのはやむを得ないことです。

でも、インドネシアは「多様性の中の統一」の何でもありの場所。無尽蔵の様々なインドネシアが全国各地に深く広く散らばっています。

それをよりどりつまみ出して、インドネシアの多様性と深みがお伝えすることは、35年間プロとしてインドネシアと付き合い、34州中28州を歩いた自分にとってのミッションであり、喜びでもあります。

幸いにも、インドネシアで現地社会のなかで生活されている方々に執筆してもらい、日本からの出張者の目とは違う視点から見えるインドネシアをお伝えできています。

今後は、さらにインドネシアの様々な現地社会で生活されている方やされていた方に新たに執筆者と加わっていただくことや、ぎゃうに、日本で生活しているインドネシアの方々からみた日本社会の様々な出来事なども書いていただけたらなあと思っています。

海外に日本を紹介する場合でも、東京と京都しか紹介されなかったら、日本を紹介したとはいえないことでしょう。

このささやかなウェブ情報マガジンをきっかけに、日本の皆さんも、様々な、いくつものインドネシアの面白さを味わって、興味を持っていただければ、とても嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

柿の花を見たことがありますか

よりどりインドネシア第63号発行、ニセ王国物語など

2020年2月9日、毎月2回発行のウェブ情報マガジン『よりどりインドネシア』の第63号を発行しました。以下のサイトから、その一部を読んでいただけます。

 よりどりインドネシア第63号

今号の内容は以下のとおりです。

インドネシアのニセ王国物語(松井和久)
2020年に入って、インドネシアでは様々なニセ王国が現れ、メディアを賑わせています。どんなニセ王国なのか、その内容を細かく見ていくと、そこに政治的な意図が見えてきました。どうしてニセ王国が現れるのか。既存の王国とニセ王国とを分けるものは何か。それらは本当に分けられているのか。インドネシアにいくつかある王国連合体組織についても、考察してみました。

ロンボクだより(28):震災の終わり(岡本みどり)
岡本さんの連載は、ロンボク地震から1年半経って、岡本さん自身の思うことを書かれています。震災は終わったのか。その問いをめぐっての思いです。岡本さんの原稿を読みながら、東日本大震災をはじめとする被災地での人々のことが思い浮かんできました。政府やメディアは「終わった」とか「まだだ」と、安易に言い過ぎてはいないだろうか、と改めて思いました。

パプアのラタパン(哀歌)を追いかける~セプティナ・ロサリナ・ラヤンさんの挑戦~(松井和久)
日刊紙『コンパス』の記事から、パプアの奥地でラタパンと呼ばれる哀歌の収録を進める若者の話を紹介します。ラタパンの持つ複層的な役割は、震災復興の観点からも注目できるのではないかと思いました。 他方、パプアでのラタパンの使われ方が、インドネシアによる抑圧や差別への批判に傾く傾向もあり、パプア奥地の人々によるラタパンの持つ意味が薄められているような印象を持ちます。

上記のような内容を含めました。多くの方にご一読いただければと思います。

今回のカバー写真は、中ジャワ州プルバリンガ県で二輪車のマフラーを製造する小企業の社長さんです。

よりどりインドネシア第62号を発行しました

よりどりインドネシア第62号を発行しました。今号の内容は以下のとおりです。

●イスラム指導者による新疆ウイグル自治区訪問の意味(松井和久)
2019年2月、インドネシアのイスラム指導者らが中国の招待を受けて新疆ウイグル自治区を訪問しました。帰国後、中国の対イスラム政策への彼らの見方はどのように変化したのでしょうか。

●ウォノソボライフ(25):レンゲル舞踊 〜その変化と継承の現場〜(神道有子)
神道さんの好評連載は、ウォノソボが中心のレンゲル舞踊を取り上げます。レンゲル舞踊が歴史的にどう変わり、それがどのように継承されていくのか。とても興味深い内容です。

●いんどねしあ風土記(10):「忘れてはならない」20年越しの真実を求める草根の叫び〜西ジャワ州デポック~(横山裕一)
横山さんの連載は、20年前に行方不明となった活動家とその真相究明を求める息子のドキュメンタリー映画への思いを綴った内容です。忘れてはならないことがインドネシアには多すぎます。

下記のサイトより、読者登録のうえ、ご購読申込いただけます。なお、申し込まれた月はお試し期間として無料となります。
https://yoridori-indonesia.publishers.fm/issue/4772/

また、PDF版をご希望の方は、メールにて、下記のアドレスまでご連絡ください。
matsui@matsui-glocal.com

他では読むことのできない、いくつものインドネシアをお伝えしてまいります。ぜひ、ご購読のほど、よろしくお願いいたします。

よりどりインドネシア第61号発行

本日(1/8)、月2回発行のウェブ情報マガジン『よりどりインドネシア』第61号を発行しました。今回は3本、内容は以下の通りです。

▼コナウェ県の架空村騒動と村落資金(松井和久)
2019年末、各村均等に資金を配分する村落資金を受け取るための架空村の問題が明らかにされました。東南スラウェシ州コナウェ県の架空村の事例について、少し詳しく見てみました。
▼ロンボクだより(27):ゴミ銀行を始めた青年との対話(岡本みどり)
岡本さんの好評連載、今回はゴミ銀行を始めた青年との対話です。この青年に岡本さんがどうしても訊きたかったこととは、何だったのでしょうか。
▼南スラウェシの木造船、現状と課題~タナベル、ガレソン、パンダラ、パオテレ港を廻って~(脇田清之)
脇田さんは2019年末、南スラウェシの伝統帆船ピニシの現状と課題を探るために、いくつもの現場を訪問しました。今回はその時の様子を書いていただきました。

2003年8月にお会いしたジョグジャカルタ郊外で編みバッグを製造しているご夫婦

『よりどりインドネシア』のバックナンバーページはこちら。
 https://yoridori-indonesia.publishers.fm/backnumber/

購読は、『よりどりインドネシア』のページから可能(購読料は毎月クレジットカード引き落とし)ですし、PDF版を別途毎回ご指定のメールアドレスへ送付することも可能です(その場合は6ヵ月分または12ヵ月分を予め銀行振込でお願いします)。

PDF版ご希望の方は、matsui@matsui-glocal.com へその旨ご連絡ください。

料金は、1ヵ月(2回発行)で750円+税となります。

なお、バックナンバーから興味ある記事を1本単位でPDFで購入できるようにすることも検討中です。

以上、よろしくお願いいたします。

よりどりインドネシア第60号発行、これで2年半継続、新たな展開へ

試行錯誤で始めたウェブ情報マガジン「よりどりインドネシア」。

月2回発行で、今回が第60号、つまり、初めて発行してから2年半が経過したことになる。内容は、以下のサイトを参照してほしい。

 よりどりインドネシア

よりどりインドネシア第60号のカバー写真

おかげさまで、2019年12月23日現在、会員は83名(ウェブ登録会員74名、PDF版購読会員9名)。少しずつ、少しずつ、読んでくださる方の数が増えてきた。

「よりどり」の特徴の一つは、現地に在住する方々が連載を続けてくださっていること。

ロンボク島在住の岡本みどりさんは、「ロンボクだより」を毎月前半の号に連載してくださっている。

中ジャワ州ウォノソボ在住の神道有子さんは、「ウォノソボライフ」を毎月後半の号に連載してくださっている。

いずれも、筆者の日々の生活に根ざした、在住者だからこそ書けるバラエティに富んだ内容で、本当に貴重な連載だと思う。いずれ、それぞれまとめて、合冊本として出版してみたいという個人的な希望もある。

お二人に加えて、インドネシアをこよなく愛するジャカルタ在住の横山裕一さんが、彼ならではの筆致で「いんどねしあ風土記」を連載している。横山さんの連載を読んでいると、あたかも彼と一緒にインドネシア各地を旅しているかのような錯覚に陥りそうだ。

また、インドネシア在住ではないが、歴史研究家の脇田清之さんは、第二次世界大戦前後のインドネシアに在住していた日本人の記録を丹念に追いかけており、その成果をいくつも「よりどり」のなかで披露していただいている。

「よりどりインドネシア」は、いくつものインドネシアを伝えていく場である。さらにたくさんの書き手が、もっともっと私たちの知らない、いくつものインドネシアを伝える仲間として、加わってもらえたらと思っている。

あなたのインドネシアを「よりどり」に書いてみませんか。書き手の仲間に加わってみませんか。

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読み手の仲間に加わっていただける方、誠に恐れ入りますが、有料マガジンとなっております。月2本で毎月750円+税。

ウェブ上で登録すると、1ヵ月の無料お試し期間の後、毎月、クレジットカードから購読料が引き落とされます。ウェブ上での登録はこちらから→「よりどりインドネシア

ウェブ登録のほか、PDF版での購読も可能です。この場合、毎回、PDF版を指定のメールアドレスへお送りします。料金の支払いは、6ヵ月分または12ヵ月分まとめての銀行口座振込となります。ご希望の方は、メールにてお知らせください(matsui@matsui-glocal.com)。支払いは日本円またはインドネシア・ルピアでお願いします。

ウェブ登録された方でも、PDF版も欲しい方は、毎回お送りいたしますので、遠慮なくお知らせください。

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2020年からは、「よりどりインドネシア」講演・交流会をもっと頻繁に開催したいと思っています。

場所は東京でも、大阪でも、名古屋でも、福岡でも、ジャカルタでも、スラバヤでも、シンガポールでも、ニューヨークでも、どこでも。

自分のところでやりたい!という方がいらっしゃれば、ぜひご相談ください。

いくつものインドネシアを伝え合い、語り合い、学び合い、楽しみ合える場をつくり、日本人とかインドネシア人とかを超えた、面白いつながりをゆるくしなやかに作っていければと思っています。

長くなりましたが、以上です!

よりどりインドネシア第59号を発行

よりどりインドネシア第59号を発行しました。
https://yoridori-indonesia.publishers.fm/issue/4737/

カバー写真は、ブンクル州ルボン県プラバイ郡で出会った川で洗濯をする人々です。

●オムニバス法で投資誘致は進むか(松井和久)
二期目を迎えたジョコウィ政権は、さらなる投資誘致を進めるため、ベトナムを意識して、オムニバス法の制定へ動いています。このオムニバス法とはどのようなものでしょうか。投資誘致のためにオムニバス法は有効なのでしょうか。考察してみました。

●ロンボクだより(26):塩の生産現場にて(岡本みどり)
岡本さんの好評連載は、東ロンボクの塩づくりの現場で働く生産者についての話を書きました。生産者の置かれた難しい立場に思いを馳せました。

●骨の髄までしゃぶりまスープ(松井和久)
インドネシアのあちこちで食べられる牛の脚の中の髄を楽しむソプ・キキル。今回はクンダリ、プカンバル、東ロンボクで食べたソプ・キキルを紹介しました。

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。引き続きいくつものインドネシアを伝えてまいります。よろしくお願いいたします。

インドネシアの新首都候補地はどんな土地?

インドネシアでは、渋滞して非効率な現在のジャカルタから首都を移転するという計画が立てられ、8月下旬、新首都候補地として、東カリマンタン州に場所が決定された。

新首都候補地付近の風景

東カリマンタン州といえば、東西に長いインドネシアのちょうど真ん中付近。近くには、よそ者が集まって大きくなった街・バリクパパンがある。

この新首都候補地がどんな土地か調べてみた。もちろん、国有地なのだが、何もない土地ではなかった。そこは、森林使用権(HPH)が設定されている土地で、その森林使用権を持っているのは、ある有名な華人実業家だった。

国有地なので、国はいつでも華人実業家から取り上げられるのだが、当然、何らかの取引がありうる。最低でも、代替の森林使用権が設定できる土地を国が用意することになるだろう。

でも、おそらくそれでは終わらないだろう。この華人実業家、只者ではないのだ。問題発言を起こして、メディアやイスラム勢力に叩かれた過去がある。でも、今の政権とは相当に密接な関係を持っており、政権側がむしろ守らなければならない相手なのだ。

そしてさらに、新首都候補地には、意外な人物の関わりもあった。大統領選挙をジョコウィと戦ったプラボウォである。ジョコウィとプラボウォとの和解の裏に、新首都利権もあったのかどうか。

そこらへんの話を、11月22日発行の『よりどりインドネシア』第58号に書いてみた。興味のある方は、ぜひお読みいただきたい。なお、購読登録月は1ヵ月無料となります。

 新首都候補地はどのような土地なのか

Noteにも同じ内容を掲載しました。こちらは11月27日23時59分まで無料掲載します。

 Note版:新首都候補地はどのような土地か

よりどりインドネシア親睦交流会開催(2019年8月3日)

2019年8月3日、ジャカルタのBatik Kuring Restaurantにて、よりどりインドネシア親睦交流会を開催しました。出席者は5名でしたが、イスラム、LGBT、ジャカルタ暴動、ジョコウィとプラボウォ和解の背景と今後など、様々な話題を自由に語り合う機会となりました。

今後は、日本人とインドネシア人の両方が一緒に共通話題を話し合える、新たな親睦交流会も企画・開催したいと考えています。

よりどりインドネシア50号を発行

7月22日、情報ウェブマガジン「よりどりインドネシア」第50号を発行しました。

今号の内容は以下のとおりです。

●ジョコウィとプラボウォの和解?~うやむやで巧みな政治的幕引きの意味と背景~(松井和久) 互いに敵対し合っていたはずのジョコウィとプラボウォが、なぜか仲よくMRTで面会して会食。その背景と意味について解説しました。
https://yoridori-indonesia.publishers.fm/article/20737/

●ウォノソボライフ(19):ドレッドヘアは災いを呼ぶか?〜ゲンベルとルワタンについて〜(神道有子) 
神道さんの連載は、ジャワの子どものねじねじ髪「ゲンベル」にまつわるお話。ゲンベルには神秘的な意味があり、それを切るにも作法があります。それは?
https://yoridori-indonesia.publishers.fm/article/20736/

●いんどねしあ風土記(3):早過ぎた旅立ち・偉大なる災害広報官「パ・トポ」〜ジャカルタ~(横山裕一) 横山さんの連載は、急逝したインドネシア国家防災庁スポークスマン、パ・トポの追悼記です。彼自身も個人的にお付き合いのあった方で、その話はしんみりとさせられます。
https://yoridori-indonesia.publishers.fm/article/20733/


「よりどりインドネシア」は、以下のサイトから、購読申し込みが可能です。
https://yoridori-indonesia.publishers.fm/issue/4633/

また、毎回、指定メールアドレスへPDF版をお送りする形での購読も可能です。ご希望の方は、matsui@matsui-glocal.com までお問い合わせください。

(PDF版の表紙は、上のような体裁です)

いずれも最初の1ヵ月は無料でお読みいただけます。

これからもいくつものインドネシアを伝えていきます。引き続きご愛読のほど、よろしくお願いいたします。 

よりどりインドネシア第47号を発行

6月9~10日の京都・大阪への出張前に終えてしまおうと、6月8日、ウェブ情報マガジン「よりどりインドネシア」第47号を発行しました。

第47号までのバックナンバーはこちら。
https://yoridori-indonesia.publishers.fm/backnumber/

今回の第47号の内容は、以下の3本です。

●2019年5月のジャカルタ暴動を総括する ~負け組による勝ち組への計画的蜂起だったのか~(松井和久)
●ロンボクだより(20): 朝のフルーツは金?(岡本みどり)
●オーストラリアに眠る日本人抑留者の知られざる物語 〜新公開のカウラ日本人墓地データベースを試用して〜(脇田清之)

今号では、私なりに、5月20~21日のジャカルタ暴動の総括を試みました。そこには、イデオロギーや崇高な国家の理想とはかけ離れた、きわめて泥臭い、うまくやりおおせている者へに対する「負け組」の積もり積もった怨念がありました。敵をうまく包み込む民主化というものが果たして可能なのか、色々と考えてしまいます。週刊誌TEMPO最新号(2019年6月8日号)の記事も参考になります。

ロンボク島在住の岡本みどりさんの連載「ロンボクだより」も第20回となりました。私たちが常識と思っていることが、果たしてロンボクの人々にも常識なのか、そんな気づきが大切だと感じます。

戦時中のスラウェシ島の日本人の歴史を追っている脇田清之さんは今回、太平洋戦争勃発時に、スラウェシ島からオーストラリアへ抑留され、亡くなった日本人民間人に焦点を当てました。脇田さんが解き明かす知られざる人々の物語です。

「よりどりインドネシア」の購読方法は、次の二つの方法があります。

【方法1】ウェブサイトから申し込む場合は、以下のサイトにて、「お試し購読する」をクリックし、まず、Publishers IDを取得後、読者登録をしてください。クレジットカード情報を入れていただき、毎月、購読料が引き落としとなります(最初の1ヵ月は無料購読期間です)。

 よりどりインドネシア

【方法2】毎回、PDF版を指定のメールアドレスへお送りします。購読料は銀行振込で、6ヵ月分または12ヵ月分をまとめてお支払いいただきます。最初の1ヵ月は無料購読期間とします。この方法をご希望の場合は、お手数ですが、matsui@matsui-glocal.com までご連絡ください。

「よりどりインドネシア」は、次の第48号で丸2年を迎えます。バックナンバーの合冊版の販売等も検討中です。他のメディアではなかなか伝えられない、いくつものインドネシアを伝えていきます。この機会に是非、ご購読をご検討いただき、ご愛読いただけますよう、よろしくお願いいたします。

【お知らせ】よりどりインドネシアのオフ会+交流会を検討中

ちょっと更新が途切れました。三連休も終わり、私は今週末まで福島です。

毎月2回発行している情報ウェブマガジン「よりどりインドネシア」は、2月7日発行分で第39号となりました。購読者数も70名ほどとなり、少しずつ増えてきています。バックナンバーは以下のリンクからご覧ください。

 よりどりインドネシアのバックナンバー

一般のメディアではなかなか伝えられない、いくつものインドネシアを伝える日本語媒体にしていきたい、と願って発行してきましたが、そろそろ、購読会員のオフ会+交流会を行いたいと考えています。

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会のスタイルをとくにかっちり決める必要はないと思いますが、一般の講演会スタイルではなく、もう少し参加者同士の距離が近い、トーク+自由討論(意見交換)に食事または飲物付き、という感じで考えています。参加された方の誰もが自由に発言し、それをもとに対話するという形を採りつつ、内容は易しくかつ正しいものにしていきたいと思います。

もちろん、購読会員に限定せず、よりどりインドネシアに興味のある方や、そのときのテーマに関心のある一限さんも歓迎、という緩やかな会になればと思います。この会を通じて、新たに購読者になってくださるならば、それはもちろん、存外の喜びです。

会の頻度ですが、できれば毎月、難しければ2~3ヵ月の1回ぐらい、と考えています。毎回、ゲストをお招きしたいと思っていますので、「話題提供者になってみたい」という方は遠慮なくお知らせください。また、こちらからも一本釣りで、話題提供者になっていただけるよう、お願いしていく予定ですので、よろしくお願いいたします。

インドネシア在住の方で、たまたまその頃一時帰国するよ、という方、是非、話題提供者になっていただきたいので、お知らせください。

東京、ジャカルタ以外でも、開催できればと思いますので、ご希望の方はお知らせください。スケジュール調整をいたします。費用面の相談は後ほど、ということで。

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とりあえず、まずは3月半ばにジャカルタで、3月後半または4月初めに東京で、私が話題提供者として、「2019年大統領選挙・総選挙とその後のインドネシア」という話をしようかなと思っています。できれば、ゲストもお招きして、トークの形で話をしたいとも思っています。

日程が確定しましたら、改めて告知いたします。よろしくお願いいたします。

メダンのインド人街出口(2019.1.20)

インドネシアの正副大統領候補ペア決定、その人物像は?

2018年8月10日、来年のインドネシア大統領選挙に立候補する正副大統領候補ペア2組は、正式に選挙委員会(KPU)へ届出をしました。今回は、とくに、副大統領候補の人物像について書いてみたいと思います。
インドネシアでは、2014年から有権者による直接投票で大統領を選ぶ直接選挙が5年ごとに行われています。また、立候補は、大統領候補と副大統領候補のペアとしての立候補になります。
さらに、実際の次の大統領選挙は来年、2019年4月17日に投票が行われます。今回からは、国会(DPR)、地方代議会(DPD)、州議会(DPRD Provinsi)、県議会(DPRD Kabupaten)/市議会(DPRD Kota)の議会議員選挙も同じ投票日の統一選挙になりました。
前回(2014年)までは、議会議員選挙が終わってから大統領選挙となるため、議会議員選挙の結果を見ながら立候補者を選べたのですが、今回からは、一年近く前に決めることになりました。
今回、立候補を届け出たのは、ジョコ・ウィドド大統領候補(現職)=マルフ・アミン副大統領候補のペアと、プラボウォ・スビアント大統領候補=サンディアガ・ウノ副大統領候補のペア、の2ペアです。この両者の一騎打ちとなる見込みです。
大統領候補は、ジョコウィとプラボウォという、前回2014年選挙と同じ対決となりましたが、副大統領候補は新顔です。どんな人物なのでしょうか。
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現職のジョコウィと組むマルフ・アミンは、いわば、最高位のイスラム指導者という立場の人物です。イスラム知識人の集合体であり、イスラムの教義に基づいたファトワ(布告)を出し、ハラルか否かを決定する機関である、インドネシア・ウラマー評議会(MUI)の最高指導者であるとともに、イスラム社会団体として国内最多の会員数を持つナフダトゥール・ウラマ(NU)評議会議長(Rais Aam)を務めています。
一方、グリンドラ党のプラボウォ党首と組むサンディアガ・ウノは、現在、ジャカルタ首都特別州副知事を務めていますが、かねてから有望視されてきた若手実業家で、サラトガ・グループなどの総帥でした。ジャカルタの州副知事に就任してから、わずか7カ月で辞職し、副大統領候補となりました。プラボウォと同じグリンドラ党の幹部でもあります。
すでに報じられているように、近年、インドネシアではイスラムの政治利用と過激なイスラム思想の浸透が大きな問題となってきました。
これまで、ジョコウィ政権は、多数派であるイスラムの利益を軽視しているとして、たびたび非難されてきました。先のジャカルタ首都特別州知事選挙では、キリスト教徒のアホック前知事がイスラム教を冒涜したとの容疑をかけられ、数万人のイスラム教徒を動員したデモ等で圧力をかけられ、アホックは落選し、しかも有罪判決を受けて刑務所に収監されました。
アホックは、ジョコウィが大統領就任前にジャカルタ首都特別州知事だった時の副知事であり、アホックへの批判はジョコウィへの批判でもありました。
ジョコウィにとって、こうしたイスラムの政治利用を軽く見ることはできないという判断になり、次期副大統領候補は、イスラム教徒票をまとめられる人物でなければならないという判断になったようです。そして、おそらくそのためには、今、最も安心できる候補として、マルフ・アミンを選んだのでした。
他方、プラボウォは、そうしたイスラムの政治利用を通じて、ジョコウィと対決しようと動いてきました。実際、アホックを蹴落とす大勢のデモは、プラボウォを支持する者たちによって主導されました。今回も、副大統領候補を決める前に、イスラム指導者たちを集めて、副大統領候補に誰がふさわしいか、推薦させるという手法を使いました。そして、2名のイスラム指導者が候補として上がりました。
ところが、プラボウォはその2名のイスラム指導者ではなく、同じグリンドラ党の幹部であるサンディアガ・ウノを副大統領候補に決めました。巷では、サンディアガ・ウノが選挙資金提供を申し出たという噂が流れており、前回同様、選挙資金確保に苦しむプラボウォにとっては、資金のないイスラム指導者よりもサンディアガ・ウノを選好した、というふうに見られています。
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ここに、非常に面白い対照、反転が見られます。
すなわち、イスラムからの批判を受けそうなジョコウィ側がマルフ・アミンを副大統領候補とし、むしろイスラムを政治利用して得票を確保しようとする一方、これまでイスラムを政治利用してジョコウィを貶めようとしてきたプラボウォ側が、推薦されたイスラム指導者ではなく自党の元実業家サンディアガ・ウノを副大統領候補にする、という展開だからです。
イスラムをシンボルとして使うのは、当初からそうしてきたプラボウォ側ではなく、ジョコウィ側、という反転です。
ここで、さらに興味深い疑問があります。二つ挙げておきます。
第1に、マルフ・アミンは、実は、アホックを貶めたイスラム教徒動員デモの首謀者の一人なのです。彼がトップのMUIは、「アホックがイスラム教を冒涜した」と見なしました。あのデモは、アホックの先にジョコウィを見据えていました。すなわち、本丸はジョコウィだったのです。その彼が、なぜ今、ジョコウィと組むのでしょうか。
第2に、サンディアガ・ウノはもともと、政治にはほとんど興味を示さない実業家でした。ところが、2015年に突如、グリンドラ党へ入党し、政治の世界へ入ります。そして、すぐにジャカルタ首都特別州知事選挙へ副知事候補(当初は知事候補でした)として立候補して当選します。なぜ彼は政治の世界へ入り、プラボウォとタグを組んだのでしょうか。
これらについては、今、色々と調べていて、いくつかの面白い事実がわかってきました。ここではまだまとめきれませんが、それも含めて、次の、8月22日以降に発行予定の情報マガジン「よりどりインドネシア」第28号(有料)のなかで、今回の正副大統領候補決定の背景について、詳しく述べてみたいと思います。

よりどりインドネシア第26号でなぜ州知事選挙に注目するのか

先週後半から今週前半にかけて、勉強会用資料作成や原稿執筆など3本の用務に追われ、ブログ更新を怠っておりましたが、よろよろと再開します。

その3本の用務の一つが、「よりどりインドネシア」第26号の発行(7/23)でした。

第25号と第26号では、17州の州知事選挙の結果について、各州ごとに分析を試みました。細かく見てみると、なかなか興味深い現象が垣間見られました。

現在のインドネシアのジョコウィ大統領が、ソロ市長→ジャカルタ首都特別州知事→大統領という足跡を示したのですが、これが政治家の一つの上昇モデルになっているように見えるのです。

県知事・市長→州知事という流れは昔からありましたが、ジョコウィ以前は、州知事→内務省高官または国会議員、というのがほとんどでした。基本的に、地方政府は内務省の下にあり、州知事といえども内務省高官の下という認識だったからです。

なぜ変化が起きたのかというと・・・。

それは地方首長直接選挙と地方分権化によるものです。地方首長は、かつては地方議会で選出し、大統領や内務省の眼鏡にかなった人物でないと就任できませんでした。今では、もちろん、住民による直接選挙で当選した地方首長は、大統領や内務省の審査を受ける必要はありません。

民主化した(とされる)インドネシアでは、大統領と言えども、住民が直接選挙で選んだという正統性を覆すことはできません。

ここで重要なことは、地方首長選挙が公明正大に公正に行われる、ということです。SNSなどの発達で、かつてのような密室での操作ができにくい状況になっていることは注目されます。不正は行われているかもしれませんが、どこでそれが起こりうるかは大体分かっており、集計段階でおかしな票の動きがあれば、メディアなどが騒いで、公にされます。

インドネシアではこれまで、選挙結果に関して、政界を揺るがすような大混乱は起こっていません。収拾がつかないような混乱がまれに起こっても、必ず白黒がついています。選挙は、見る限り、正しく行われているとみなしてよいかもしれません。

今回の州知事選挙では、現職で落選したケースが目立ちました。現職は自分の再選に向けて公的予算を内々に活用することもでき、立場上、相当に有利なはずですが、落選するのはなぜか。カネや利権のばら撒きが効果を果たしていないのではないか。

やはり、住民は現職の実績を見ているのだと思いました。とくに、中央政府や他の地方政府から評価され、たくさんの視察を受け入れ、善政事例としてメディアで頻繁に取り上げられるような地方首長は、本当のところは分かりませんが、住民から見て、実績のある地方首長と見なされることでしょう。

だから、県知事や市長でも、そのような名声を得た者が州知事選挙に立つと、有能な人物として注目されるのです。そして、州知事で注目されると、その次へ、という道筋が立ってきますそれは、現職のジョコウィ大統領がたどった道でもあります。

また、大臣経験者や国会議員があえて地方首長選挙に立候補する、という現象も起こっています。昔は考えられなかったことです。彼らもまた、地方首長としての経験と実績を引っ提げて、その他大勢の内閣や国会を経由せず、一気に上を目指そうとしているのかもしれません。

2019年大統領選挙はまだ早いとしても、次の2024年までに、どんな新しい指導者が現れてくるか。行政府の長として、一国一城の主の経験、換言すれば、経営者としての経験をもった実績を積み上げた(とされる)地方首長が、台頭してくるのではないでしょうか。

そう、これは、15年ぐらい前まで、あれだけ寄ってたかって批判し、無理だと言われた地方分権化や地方首長直接選挙のプラスの成果なのです。

そうした意味で、筆者は、地方首長のこれからのパフォーマンスに大いに注目していきます。

よりどりインドネシア1周年、無料公開中

2017年7月、いくつものインドネシアを知るためのウェブ情報マガジン「よりどりインドネシア」を発汗して、1年が経ちました。

このマガジンは、毎月2回、毎月7日頃と22日頃に発行してきましたので、2018年7月9日発行分で第25号となりました。

「よりどりインドネシア」は、以下のサイトから読者登録のうえ、購読することが可能です。購読料金は、1カ月あたり810円(税込)で、当該サイトから登録すると、クレジットカードから毎月引き落としとなります。申し込み後1カ月は無料購読期間となります。

また、銀行振込による支払いをご希望の場合には、振込先口座をお知らせします。この場合、6カ月分または12カ月分をまとめてお支払いただきます。お支払確認後、毎回、PDF版を指定のメールアドレス宛に送らせていただきます。申し込み後1カ月は無料購読期間となります。

今回、発行開始1周年を記念して、最新の第25号は、7月22日までの期間限定で、無料にて全文公開していますので、ご覧ください。

PDF版の第25号は、7月22日まで、以下から閲覧・ダウンロード可能です。この機会に、ぜひ、ご一読いただき、購読をご検討いただければ幸いです。

  よりどりインドネシア第25号(PDF版)(7/22で無料公開を終了しました)

なお、インドネシアの基本情報をわかりやすく解説した無料ブログ「インドネシアまちゃむまちゃむ」も始めました。合わせて、ご一読ください。

  インドネシアまちゃむまちゃむ

以上、よろしくお願いいたします。

よりどりインドネシア第20号を発行

4月23日、情報ウェブマガジン「よりどりインドネシア」第20号を発行しました。以下のサイトにて、読者登録のうえ、ご覧になれます。

 よりどりインドネシア第20号

「よりどりインドネシア」は、いくつものインドネシアを日本社会にもっと知ってもらうことを目的に、毎月2回、私が発行しているウェブマガジンです。

今回の「よりどり」は、以下の4本です。

ジョコウィ大統領は2018年3月26日付大統領令2018年第20号に署名し、外国人就業に関する規制緩和を実施しました。また、これに関連して、インドネシア国内の大学において、外国人教員の長期正式雇用を進める方針を打ち出しました。今回の措置は、中国人就業者の増加と絡んでいる部分があるため、「ジョコウィ政権は中国寄り」との批判をさらに強める可能性があります。本稿では、そうした背景と問題について解説しました。
中ジャワ州ウォノソボ在住の神道さんの好評連載の第4回です。今回は、神道さんの日常生活のなかで出会う人々の「暗闇」に対する感覚を取り上げています。我々現代の日本人の明るさに関する感覚との違いを感じていらっしゃいますが、もしかすると、それは昔の日本人が持っていた「暗闇」の感覚に近いものがあるのかもしれません。神道さんの名調子と合わせて、ぜひ、ご一読ください。
インドネシア在住でインドネシアの歌の好きな方ならよくご存じの「リソーイ」。この曲の作曲者がナフム・シトゥモランだということをご存知の方は、どれほどいらっしゃるでしょうか。私も今回初めて知った、ナフム・シトゥモランの生涯について、先週発売の『テンポ』の記事を参考に書いてみました。今後も、「忘れられたインドネシア人」を発掘し、取り上げていきます。
「よりどり」では、筆者がインドネシアで食べてきた美味しいものを色々紹介していますが、今回は、ボゴールで食べたマカロニ入り焼きグラタン、マカロニ・パンガンです。ボゴールに行かれたら、ぜひ、MPへ立ち寄ってみてください。
「よりどりインドネシア」は、ウェブサイトからクレジットカードにて読者登録いただく方法以外に、銀行振込も可能です(6か月分または1年分まとめてのお支払いとなります)。銀行振込の場合は、毎回、PDF版を指定メールアドレスへ送らせていただきます。請求書、領収証も発行いたします。
また、皆さんからの「いくつものインドネシア」に関する原稿の投稿も募集しております(薄謝ですが原稿料もお支払いします)。
なお、第0号から第19号までのバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
 バックナンバー
引き続き、「よりどりインドネシア」をよろしくお願いいたします。

よりどりインドネシア第19号を発行

4月8日、情報ウェブマガジン「よりどりインドネシア」第19号を発行しました。以下のサイトにて、読者登録のうえ、ご覧いただけます。

 よりどりインドネシア第19号

「よりどりインドネシア」は、いくつものインドネシアを日本社会にもっと知ってもらうことを目的に、毎月2回、私が発行しているウェブマガジンです。

今回の「よりどり」は、以下の4本です。

大統領選挙とスクマワティの詩の波紋(松井和久)
スカルノ初代大統領の娘であるスクマワティの読んだ詩が政治的な波紋を呼んでいます。その顛末を説明しました。

スラバヤの新バスは運賃をゴミでも支払える(松井和久)
公共交通機関が退化した町スラバヤ。4月に運行を開始する新バスは運賃をゴミでも支払える!?どういうことなのでしょうか。



ロンボクだより(6):「恋人と一緒に登っていいですか?」(岡本みどり)
今回の岡本みどりさんのロンボクだよりは、恋人とリンジャニ山へ登れるかという問題です。



ソロのナシ・リウェットの思い出(松井和久)
ソロの名物ナシ・リウェット。スラバヤ行きの列車に乗る前に、何とか味わえた経験談を書きました。



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