先週、仕事で行った東ジャワ州バトゥ市は、標高1000メートル弱の高原都市。富士山と同じ、コニーデ型の山々が見える、風光明媚な涼しい街です。
バトゥは、東ジャワ州随一の観光都市でもあるのですが、話によると、インドネシア国内の年間訪問観光客数でジョグジャカルタを抜いて、バリに続く第2位の地位を獲得したのだとか。しかも、そのほとんどは国内観光客、所得上昇によるインドネシア国内の観光ブームが続いていることがうかがえます。
それでも、東南アジアでは珍しいりんご狩りができるとあって、マレーシアや台湾などからの観光客がバスを連ねて観光農園へりんご狩りに来る様子もよく見られるようになりました。
仕事では、高原野菜や優良果物の大産地でもあるバトゥから、インドネシアの農業の未来を作れないか、と密かに思っているところですが、その話はとりあえず置いておいて・・・。
カンビンです。
カンビンとは、インドネシア語で山羊のこと。高原都市バトゥの夜は涼しく、気温20度以下になることもよくあります。そんなとき、体を温めてくれるのがカンビンです。
たまたま、9月に日本へ研修に行ったときに一緒だった方々とバトゥで再会し、夜、みんなでカンビンを食べに行きました。行く先は、メシール食堂(Rumah Makan Mesir)。メシールとはインドネシア語でエジプトのことです。
さっそく頼んだのが、サテ・カンビン。山羊肉の串焼きですが、東ジャワや中ジャワのさて・カンビンは、子ヤギの肉を使うので、ジャカルタで食べる硬いサテ・カンビンとは違って、柔らかいのです。
この店では、ピーナッツソースで出てきましたが、個人的には、ケチャップ・マニス(甘くてドロッとした黒豆由来のソース)と赤わけぎ+ジュルック、のほうが好みです。
サテ・カンビンに引き続いて、グライ・カンビン。ジャワ風の山羊カレー、といった趣ですが、ココナッツミルクのたっぷり入ったトンセン・カンビンよりはあっさり系です。
インドネシアと関わりだした駆け出しの頃、といえば今から30年近く前ですが、ジャカルタでよく、カンビンづくしをしていました。当時、サテ・カンビンを10串とソプ・カキ・カンビン(山羊の脚肉・臓物のスープ)という、見るからにコレステロール満載、健康に悪いよね、という見本のような食事をしました。その結果もあって、長年にわたり、高脂血とお友達状態が続いてしまっています。
さすがに、30年経った今となっては、そんな食べ方はできないのですが、それでも、バトゥの夜には、サテ・カンビンを7串も食べてしまいました。まだけっこういける?と浅はかにも思ってしまうのですが。
今回の出張前半は、体調がすぐれず、調子が良くなかったのですが、ここに来て、体調は回復し、いつもの元気が戻ってきました。カンビンのおかげもあるに違いない、と勝手に思っています。
いつもそうやって、自分はこれまで、インドネシアの食べ物に支えられてきたような気がします。