田谷さんのベビーリーフが届いた!
レストランじゃないので、盛り付けは格好よくないのはお許しを。
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ステイホーム。不要不急の外出を控える。行動自粛。友人や知人とも会わない。皆さんと同じように、私もそんな毎日を送っています。
動いてつなげるのが私の仕事のスタイル。でも、インドネシアへも福島へも行けず、東京の自宅で家族と過ごしています。
幸い、自宅の庭では、今、ツツジなどの花が咲いていて、なごみます。
同プロジェクトは、農家と消費者を直接結んで、消費者が農家を支えるCSA(Community Supported Agriculture)の実践で、「ゆきむすび」というお米を生産・販売しています。
今日は、友人のM氏の紹介で、彼がプロデュースに協力したFUKUSHIMARTを訪問してきました。
FUKUSHIMARTは、三春ハーブ花ガーデン(郡山駅からタクシーで約15分)の一角にあり、6月1日にオープンしたばかりの施設です。12人の農業生産者が自ら加工品を生産し、それをこの場所に陳列して、販売しています。12人でローテーションを組んで、生産者自らが売り場に立ち、来客者と直接コミュニケーションし、自分の作った商品の魅力を伝えています。
他には見かけない、ちょっと工夫した商品としては、瓶の中に果物やバラなどがあらかじめ入っていて、それに炭酸水やアルコール飲料を加えて冷やすと、美味しいサングリアや果実酒になる、といった商品(自家製サングリアの素、自家製果実酒の素)がありました。
また、福島県ではもう珍しくなってしまった、昔ながらの製法で作った醤油やそれをベースにした油醤油(にんにく味、唐辛子味、カツオ味)などもありました。
今日5月27日、福島市曽根田のアオウゼで、NPO法人ふくしま30年プロジェクトの主催する「風評被害」の勉強会に出席しました。講師は福島大学の小山良太氏で、とても納得できる話を聞くことができました。
風評被害については、つい最近、NHKのクローズアップ現代で取り上げられ、少し前の私のブログで、米の全量全袋検査のことを書きました。また同じ内容の番組をNHK東北版で放映したそうで、小山氏は東北版のコメンテーターを務めたとのことです。
小山氏によれば、風評被害の原因は消費者の買い控えではなく、流通における取引順位の低下(最下位になったこと)にある、という点です。
果樹のように、希少性や時限性の高い旬のある産品はあまり影響がない一方、米や肉のように、年間を通じて安定供給される産品において、福島産の取引順位、すなわち市場で取引される順番が最も後になってしまった点が原因である、という見解です。
米について言うと、福島の米はもともと品質が高いため、家庭用として売られてきましたが、震災後、市場での取引順位が最下位となってしまい、業務用として扱われるようになっていきました。現在、JAと民間とを合わせて、福島米の6割程度が業務用になっているようです。
福島米が最も流通しているのは首都圏ですが、その次に多いのが沖縄県です。その沖縄でも、福島米の取引順位は大きく下がり、価格が下がりました。それを受けて、ある沖縄のお弁当屋さんが米を福島産へ変えたところ、「弁当が急に美味しくなった」と評判になり、作る先から売れてしまうのだそうです。
牛肉でも、福島産の取引順位は最下位で、和牛枝肉価格でキロあたり全国平均よりも500円低い状態で推移しています。畜産農家のマージンはキロあたり500円と言われていて、全国平均より500円低い福島の畜産農家は損益分岐点、儲けが全く出ていない状態ですが、畜産を止めてしまうと肉の供給に支障をきたすため、生かさず殺さずの状態になっているという話でした。
福島産の米や牛肉の取引順位をどのように上げていくか。市場による評価を上げていくか。これが風評被害を克服するために重要だというお話でした。
そして、振り返ってみると、福島産の農産物は品質がよかったので、とくに取引順位をあげることを震災前まではほとんど考える必要がなかったということが想起されました。北海道や山形が、必死になって取引順位を上げるために懸命なマーケティングを行っていたのとは対照的に、福島はそんなことをしなくても売れたのでした。
震災前と比べて、福島産の農産物の品質が落ちたということはありません。それでも市場で売れないのは、消費者が買わないというよりも店頭で売られていない。それは、流通段階での取引順位が最低になっているためで、それは流通業者が消費者には売れないと勝手に忖度しているためなのでした。
他方、福島側は、消費者や流通業者へ「品質が良い」ことをアピールし、だから正当な価格で売って欲しいとお願いするのみで、自分たちが取引順位を上げるためにどのような戦略をとるのか、がまだ欠けているように見えるのです。
北海道の夕張メロンがどのように静岡のマスクメロンに勝っていったのか。山形のつや姫が取引順位を上げるために県がどのような政策をとったのか。
小山氏は、もしかすると、原発事故が仮になかったとしても、福島の農業は同様の問題に直面していたかもしれない、とも考えていたようです。すなわち、高品質という評判を受けて、従来通りのやり方を続けていくなかで、厳しい市場競争において取引順位を落とした可能性もあったのではないか。
風評被害というピンチだからこそ、それをチャンスと捉え、新しい戦略を考えなければならないのかもしれません。たとえば、業務用の米の需要が伸びていくなかで、これまで家庭用を前提に作ってきた米を業務用を前提に作るとした場合、どのような戦略をとるか。大手コンビニとの契約栽培もありではないか。
また、旧来のブランドに縛られるのではなく、むしろ、全く新しいブランドを立ち上げて、それも用途別・機能別のブランド化を考えるほうが効果的ではないか。
山形のように、つゆ姫のような高級ブランド米を作る地域と業務用米を作る地域とを明確に分ける戦略も考えられるのではないか。
小山氏は、風評被害を克服するためには、福島の農業自体が自ら変わる必要があるということを強調していました。食管制度に守られた農業の感覚からまだ抜けられていない、とも指摘しました。
他にも、福島市で初めて行なった米コンテストの効果が予想以上だった(農家どうしが競うことを嫌う風潮もあり、他の農家の米作りを学び合う機会がなかったようです)、という話も、若干の驚きをもって聞きました。
最後に、外国、とくにアジア諸国では、福島産農産物へのマイナスイメージが極めて高いという問題に触れられました。そして、状況説明を福島県が行っているものの、国家として政府が外国へ向けて、原発事故の影響を何も総括していない、総括報告書を出していない、という事実を指摘されました。
そう、そうなのです。外国政府から求められているのは、日本政府としての総括報告書なのです。ところが、日本では、福島県がその総括をやる立場になっています。その一方で、東京オリンピック招致の際には、国レベルで「東京は福島から270キロ離れているから安全だ」などとスピーチしてしまうのです。総括はしたのか?と言いたくなります。
産物の取引順位を上げるために、産地対策に力を入れ、きちんとした戦略を作る。国に原発事故後の農業の状況に関する外国向けの総括報告書を作らせる。そして、農家は、他の農家といい意味で競い合いながら、粛々と真面目に農業を行っていく。
福島の農業にとって必要なのは、良質な刺激と適切な戦略を作っていくためのしっかりした実態調査なのかもしれません。小山氏の講演から様々な学びを受けました。さらに、しっかりと見続けていきたいと思いました。
インドネシア・東ロンボク県センバルン郡の野菜畑を歩きながら、出会ったのは野菜だけでなく、野菜の花たちでした。
トウガラシの花を初めて見ました。小さな白い花でした。
あまり目立たない、白い色の控えめな佇まいでした。質素な感じもします。
周りは、見渡す限りのトウガラシ畑。そういえば、トウガラシのことをロンボクともいうのです。ロンボク島はトウガラシの島、なのです。
続いて、ジャガイモの花。
あの不恰好な形のジャガイモからは想像もつかない、素敵な花でした。
このジャガイモ畑から獲れるジャガイモは、インドネシアの食品大手企業との契約栽培です。かつてはニンニクの第産地として名高かったセンバルン郡でしたが、政府によるニンニク輸入拡大政策の影響で、ニンニクから他作物への転作が必要になったとき、転作作物として、東ロンボク県政府が食品大手企業とのジャガイモの契約栽培の話を持ってきたそうです。
それにしても、こうした花が咲くからこそ、実がなるのだ、という当たり前のことに気づかされます。そう思うと、野菜の花の可憐さが愛おしく感じられます。
今週は、とにかく報告書原稿を仕上げなければなりません。そんな合間に、こんなブログも書いてみたくなります。
東ロンボク県のセンバルンは、このブログでも取り上げたように、標高1000メートル以上の高原に立地しています。高原野菜の産地で、あらゆる野菜が栽培されています。
とくに盛んなのは、トウガラシ、ジャガイモ、シャロット(赤ワケギ)、ニンニク、キャベツ、レタス、ナス、トマト、ブロッコリー、スイートコーンなどの野菜。イチゴ、メロン、オレンジなどの果物。
メロンとスイートコーンは、BSDのイオンモールで売られていますので、きっと見たことのある方も多いことでしょう。センバルン産とはどこにも書いてありませんけれども。
センバルンは、リンジャニ山への登山口でもあり、土日ともなると、登山の観光客などで賑わいます。観光客が帰る前に、畑へ行くと、実は、そこで野菜や果物を直接買うことができるのです(土日のみ)。
畑への入場料として15,000ルピアを払い、好きなだけ摘み取って、キロ当たりいくらで買うことができます。観光農園ではないのですが、フツーの畑でそれをやっています。
センバルンの農地は火山灰土で水はけが良く、土中に病原菌がないというニュージーランドの専門家の調査があるようです。ジャガイモもニンニクも、インドネシア各地で病気にやられていたときに、センバルンでは病気が発生しなかったということです。
ジャガイモの大半は大手食品メーカーのインドフードと契約栽培していますが、インドフードはこの病気フリーのジャガイモというところに目をつけたものと思われます。
畑地では、次々に栽培する作物を変えながら連作障害を避ける工夫をしています。
もっとも、有機栽培というわけではなく、化学肥料をけっこう使用していました。かつては肥料も農薬も使わなかった、ということなのですが。
それはそうと、今回は、初めてセンバルンに泊まりました。センバルンには、何軒か宿泊できる宿があり、意外に清潔で新しいところがあります。私が泊まったのは、Pesona Rinjaniという宿で、コテージで1泊50万ルピアでした。
宿の前には広い敷地があり、コテージがいっぱいになると、そこにテントを張ってお客さんに泊まってもらうこともあるのだそうです。
宿の目の前には、リンジャニ山がドーンとそびえていて、雄大な眺めです。
しかし、センバルンの夜を侮っていました。夜の気温は、おそらく10度前後まで下がり、部屋にある毛布1枚ではとても寒い。長袖のウィンドブレーカーを着ていても、夜風が冷たく、寒くて仕方ありませんでした。
お連れした兵庫県の方々も、「まさかロンボクでクーラーなしでもこんな寒い経験をするとは思わなかった」と言っておられました(怒っていたわけではないので助かりましたが・・・)。
そして、朝8時過ぎになると、急速に気温が上がり、汗ばんできます。この昼夜の気温の差がまた野菜栽培に適しているのかもしれません。
インドネシアで涼を求める方には、センバルンでの宿泊をお勧めします。ただし、寝袋や温かいオーバーなどを忘れずに。