「佐伯むすめ」との出会い

佐伯といえば、有名なのは寿司です。分厚いネタは、あまりに分厚いので、ネタに切り込みが入っています。もちろん、ネタは新鮮そのもの。10年以上前、初めて佐伯を訪れて食べた寿司の味を忘れることはできません。

では、寿司以外に何があるのか。と思っていたのですが、いろいろあるのです。今回出会ったもののなかで、特に良かったのは、「佐伯むすめ」との出会いでした。

佐伯むすめ? いえいえ、人間の娘さんではありません。吟醸あんという上等な餡を使ったお饅頭です。リンクは以下から。

 佐伯むすめ

地元でよく売れているのは、みそ味とチーズ味だそうですが、オリジナルともいうべき吟醸あんを使ったものは、上の写真の真ん中の「利休」です。

ひと口食べてみましたが、餡がとても美味しいのです。手作りで丁寧に作られた滑らかな餡。薄皮との相性も抜群で、やさしい甘さが静かに口のなかに広がります。

みそ味とチーズ味も食べましたが、私に饅頭という既成概念があるためか、チーズ味はちょっと別物という感じがしました。

それにしても、この饅頭のレベルはかなりいい線を行っていると思います。

佐伯に美味しい饅頭あり、その名は「佐伯むすめ」です。吟醸あんの虜になること、間違いなし、と思いました。

十条でバクテとポテヒ

11月4日は、友人と一緒に、東京の十条で、バクテとポテヒを堪能しました。

まず、バクテ。肉骨茶と書いたほうがいいのでしょうが、マレーシアやシンガポールでおなじみの、あの骨つき豚肉(スペアリブ)を様々な漢方原材料の入ったあつあつのスープで食べる定番料理。これを食べさせる店が十条にあるので、行ってみたのです。

味はオリジナルと濃厚の2種類。濃厚味はニンニクが効いていて、オリジナルのほうがマレーシアのものに近い感じがしました。

次の写真は、濃厚に豚足などを入れたバクテ。日本では、スペアリブより豚足のほうが入手しやすいからなのでしょうが、バクテといえば、やはりスペアリブですよねえ。

この店は、マレーシアのエーワン(A1)というバクテの素を売るメーカーと提携している様子です。エーワンのバクテの素は、我が家ではおなじみのもので、その意味で、今回のバクテは、とくに際立って美味しいという感じのするものではなく、フツーに美味しかったです。

さて、バクテを食べた後は、ポテヒです。ポテヒというのは、指人形劇のことで、東南アジアの各地で見られます。今回のポテヒは、マレーシア・ペナンの若者グループであるオンバック・オンバック・アートスタジオによるものでした。

演目は、おなじみの西遊記から「観音、紅孩児を弟子とする」と題した伝統作品と、創作作品の「ペナン島の物語」の2本。いずれも、30分程度のわかりやすい演目でした。

下部に翻訳や映像が映し出され、観客の後ろでは、パーカッションや管弦楽器による音楽が奏でられます。

下の写真は、伝統作品のもの。

「ペナン島の物語」は、ペナン島の多民族文化・社会の多様性と融合を、いくつかの場面を組み合わせながら示したものです。

マレーシアの地元の若者にとって、ポテヒは古臭く、人気のないもののようです。それでも、今回の公演はなかなか楽しめるものでした。

何よりも、ペナンの若者たちが、多民族文化・社会が共存するペナンのアイデンティティを大事にし、それを先の世代から受け継いで発展させていくという行為を、このポテヒを通じて示していたことが印象的でした。

こうしたものに対して、日本をはじめとする外国からの関心が高まることが、ポテヒを演じる若者たちを支えていくことになるのかもしれません。

11月5・6日は、池袋の東京芸術劇場「アトリエ・イースト」で公演とトークが行われます。5日は15:30から、6日は19:00からです。無料ですが、公演賛助金(投げ銭制)とのことです。よろしければ、ぜひ、見に行かれてみてください。

福島税務署で残りの諸手続

今日は福島市です。今週は東京で色々と予定が入ってしまったので、福島市にいるのは今日と明日の1泊2日。しかも、明日の夕方5時に東京で予定が入っているので、それに間に合うように、東京へ向かいます。

今回の用事は、税務署です。松井グローカル合同会社を4月に福島市で登記し、色々と手続を済ませてきたのですが、9月分の役員報酬の支払いに伴う源泉徴収所得税納付書を10月10日までに福島税務署へ提出しなければならなかったのでした。

通常、源泉徴収所得税は金融機関の窓口か税務署で期日までに支払うのですが、私の場合は、税務署へ行かなければならないのです。なぜかというと、実は源泉徴収所得税がゼロだからです。

役員報酬額が低いので、ゼロになっているのです。しかし、たとえ源泉徴収所得税がゼロであっても、ゼロであるということを明記した源泉徴収所得税納付書を提出しなければならず、それは金融機関ではなく、税務署へ行く必要があるのです。

もっとも、毎月「ゼロ」の納付書を税務署へ提出に行くのも面倒なので、すでに6ヵ月に1度まとめて提出できるようにするための手続を9月中に終えました。でも、9月分だけは10月10日までに提出する必要があるので、今日、提出してきたという次第です。

次回は来年1月20日までに2017年10~12月の3ヵ月分の「ゼロ」の納付書を提出することになり、その後は、6ヵ月分ずつまとめて、7月と1月の年2回、提出です。

福島税務署で担当してくださった職員の方が、とても懇切丁寧に対応してくださり、すっかり気分の良い一日となりました。「早くきちんと納税できるようにならなきゃ!」と私に思わせるかのような対応でした。

今日の福島市は、晴れているのに時々小雨が降る時雨模様の肌寒い一日でした。お昼に食べた鴨のつけそばがけっこう美味しかったのも収穫でした。

京都の路地裏の町家カフェ

少し前ですが、9月11日、京都で少し時間が空いたので、どこかで一人、しばしゆっくりお茶をしようと思い、町家カフェを探して、見つけたのが「卯晴(うはる)」です。

場所は晴明神社近く、堀川通から西へ少し入ったところで、大宮通からすぐの、ちょっと奥まったところにありました。

基本的には紅茶専門店。たくさんの種類の紅茶を扱っていて、店内で飲むだけでなく、紅茶のみを購入することもできます。

入ると、まず靴を脱いであがります。レジカウンターがあり、その周辺には椅子席と本や雑貨が色々と並んでいます。

階段を上って2階へ行くと、床に座る形式の席が用意されています。エアコンはなし。数台の扇風機が床に置かれ、風を送ってくれます。

誰もいない空間で、しばしくつろぎました。小さい本棚には、もともとのこの町家の持ち主の蔵書らしき本が置かれ、客は自由に手にとって読んで構わないとのことです。

アフタヌーン・ティーセットを注文。好きな紅茶を選べるセットです。私は、自分の定番であるアールグレイのアイスを頼みました。

このセットは大当たりでした。7種類のお菓子がガラスの器に盛られ、一つ一つが珠玉のように美味しいものでした。これで1080円というのは、店の雰囲気も含めて、とてもお得な気分になりました。

京都には、こんな素敵な店が色々とあるのでしょうね。この店からすぐ出た大宮通は、リノベされた素敵な町家がいくつもある、歩いていて飽きない通りでした。

私の、京都でのお気に入りカフェ第1号に認定!

佐伯の宝、カフェ・ド・ランブル

7月23日、24日の2日間、大分県佐伯市へ行っていましたが、その2日とも、知人に連れられてお邪魔したのが、カフェ・ド・ランブルという古い珈琲店でした。

市内のやや大きめの通りから狭い路地に入り、ちょっと行った先にある蔵造りの建物、気がつかなければ通り過ぎてしまう場所にその店はありました。

ガラガラっと木戸を開けて入ると、そこは、むっとして暑い外とは全く違う、薄暗いけれども何となく温かい空間が広がっていました。

もう40年も佐伯の地元の人々に愛されてきたコーヒーの名店でした。マスターが黙々とコーヒー豆を選り分け、グラインドしたコーヒー豆をネルドリップで丁寧に一杯一杯淹れてくれます。

少しでも悪い豆があればそれを除きます。淹れたコーヒーは必ず一口味見をし、もしも味が正しくなければ、それを捨てて、もう一度最初から作り直す、という徹底ぶりです。

圧巻は、アイスコーヒー。やはりネルドリップで丁寧に淹れたコーヒーを金属容器に入れ、それを氷の上に置いて、容器をぐるぐる回します。マスター曰く、これが一番早く冷えるのだとか。このアイスコーヒーの、例えようのない美味しさといったら・・・。

実は、この店のマスターは、東京・銀座八丁目にあるカフェ・ド・ランブルで学んだ方でした。東京での修行を終わる際、店の名前を使う許可を得て、故郷の佐伯へ戻って店を開いたのだそうです。

マスターによれば、珈琲店の系列には、例えば、カフェ・バッハで修行したバッハ系とここのようなランブル系、といったものがあるそうですが、時間と労力を惜しまないランブル系は、珈琲店ビジネスとしては利益重視にできない、ということです。

佐伯という場所であることから、価格も高く設定せず、常連さんを中心に、適度な人数の来客を相手に、細く長くやってきた、ということでした。

それにしても、本当に居心地の良い空間です。そして、丁寧に淹れられた極上のコーヒー。この店の存在を知っただけでも、佐伯に来た甲斐があった、といって過言ではありません。佐伯に来たばかりなのに、宝のような大事な場所を得たような気分になりました。

佐伯に来たら、またうかがいます。宝のような大事な場所。

日本のローカルのあちこちに、こんな場所を持てたら嬉しいなあ。

そうそう、佐伯での仕事の話も、もちろん有益に進みました。また何度も、佐伯へ足を運ぶことになりそうです。

やたら知人に出会う、今回のジャカルタの宿

昨日(7/10)からジャカルタに来ています。いつもは、東ジャカルタの私のアジトに泊まるのですが、今回は、調査団の一員としてなので、他の団員と同じホテルに宿泊しています。

このホテルに初めて泊まったのは1980年代後半で、それ以来、何度か泊まっているのですが、昔よりもいろんな面で進歩が見られます。とくに食事は、以前はとにかく美味しくなかったという記憶したなかったものです。今も決してものすごく美味しいとは思いませんが、そこそこ食べられるレベルになりました。

部屋が広いのがこのホテルの特徴ですが、かつてはバスタブ付きの部屋が少なかったのです。今はほとんどの部屋にバスタブが付いています。ベッドもよくなりました。

近年、日本の関係オフィスがジャカルタの中心部よりも南へ移ってきたせいか、日本からの出張者の滞在ホテルも南へ移ってきている様子があります。

今回のこのホテル、見た目だけでも、日本人客の比率が高いです。昔のプレジデント・ホテルほどではありませんが。

そして、そのせいか、知人に必ずと言っていいほど出くわします。昨晩のチェックイン時、今朝、朝食をとるためにエレベーターを降りた時、外での仕事を終えてホテルに戻ったロビーで、別々の知人に複数会いました。

今までの経験からしても、相当な確率です。というか、いつもはアジトに宿泊なので、日本人に会わないジャカルタライフが普通だったので、ビックリしているだけなのですが。

今日の夕食で食べた、ランデブーのゴーヒョン(肉詰め巻き揚げ)は相変わらずのおいしさでした。このたびスラバヤに着任されたT氏とこの店でご一緒したことを思い出しつつ。

日本橋ふくしま館MIDETTEでビックリな出会い

先日、福島県三春町のFUKUSHIMARTで知り合ったSさんから、「今、東京です」という電話をもらいました。

Sさんは、福島市でゴボウやモロヘイヤなどを練りこんだうどんを製造している方なのですが、東京の日本橋ふくしま館MIDETTEで、その自慢のうどんを出しているので、食べに来てほしい、ということでした。

正午に用事があったので、午後1時過ぎに行くと返事をしたら、「大丈夫ですよー」という答え。あんまり人が入っていないのかなあ、と思いながら、行ってみました。

日本橋ふくしま館MIDETTEというのは、神田と日本橋のちょうど中間あたりにある、福島県のアンテナショップです。

MIDETTEというのは、外国語ではなく、実は福島弁で、「見ていって(ね)」という意味です。

さっそく、Sさんご自慢のゴボウうどんセットをいただきます。

ゴボウうどんの真ん中に、何か、ワカメのようなものが載っています。よく見えないので、ご飯の上に載せたら、分かりました。

レーザーで切断したのだそうです。そりゃあ、ずいぶんコストがかかったね、と言うと、「そうなんですよー。でもうどんの値段には転嫁できないです」と嬉しそうに答えてくれました。
うどんにゴボウが練りこまれていて、それにさらにゴボウが載り、ゴボウの和え物とゴボウのかりんとうが付く、というまさにゴボウづくし、でした。ゴボウの香りを感じながら、うどんを美味しくいただきました。
Sさんは、むろうどん製麺所を経営していますが、福島市の公設地方卸売市場の敷地内で、「お福さんのひっぱりうどん」というお店も出しています。ただし、昼過ぎには営業終了となるので、早めのお昼を食べに行くことになります。
さあ、うどんを食べ終えたので、店を出ようとしたら、どこかで見かけたものが売られていました。
郡山市の西北にある石筵地区の蜂蜜でした。数年前、私は友人たちと一緒に、石筵地区を訪れたことがあります。石筵地区は、コミュニティによる共有林管理をずっと続けてきた集落で、そのときは、水田に水を入れる前に水路の清掃を集落成員総出で行う「堰上げ」の様子を見に行ったのでした。つい最近、NHKの番組でも全国放送されたので、ご覧になった方もいると思います。
今回は、そのときにお世話になったGさんの奥様がMIDETTEに来られていて、蜂蜜を売っていました。その時の話をしばらくして、Gさんがお元気でいらっしゃる様子をお聞きした後、あの時にお土産でいただいたのと同じ大きさの蜂蜜を1瓶購入しました。
とてもおいしい高品質の蜂蜜なのですが、残念ながら、福島市の街中ではお目にかかったことがありません。郡山市では売っているのでしょうか。福島の地元で買えないのがちょっと残念です。いしむしろ養蜂園のリンクはこちらです(https://www.fukulabo.net/shop/shop.shtml?s=6334)。
さらには、高校時代の親友で今は福島県庁の高官として地域復興の先頭に立っている友人Nさんにも、店内で偶然に会い、お互いにビックリでした。
ただ単にSさんのうどんを食べに行っただけだったのに、こんなビックリな出会いがあるとは、思いませんでした。うーん、やっぱり、動くと出会いますねえ。
おいしい福島に出会いに、皆さんも是非、MIDETTEにいらしてみてください。楽しい気分になること、間違いなしです。福島県は、知られざる美味しいモノの宝庫なのです。

1000万袋以上の福島県産米を全量全袋検査、基準値越えは無し

マカッサルからいきなり福島の話へ移ります。

夜のテレビで、福島米の風評被害の話を取り上げていました。安全安心なのに、なぜ売れないのか、という話でした。

福島県では、出荷販売用だけでなく、自家用も含めて、県産米の全量全袋検査を2012年8月から実施しています。ここで採られている方法は、「ベルトコンベア式放射性セシウム濃度検査器」によるスクリーニング検査で、30キログラムの玄米袋を毎年1000万袋以上、検査しています。

スクリーニング検査について、福島県は以下のページで説明しています。

 全量全袋検査のスクリーニング検査

そして、2014年以降、すべての袋が基準値(100 Bq/kg)以下となっています。1000万袋以上のすべてが基準値以下、ということになります。そして、基準値の半分を超えるものについては、さらに、ゲルマニウム半導体検出器による詳細検査を行っていますが、その対象となったのは、2014年で、1000万袋以上のうちのわずか2袋でした。

日本で、福島県以外でこれと同じレベル以上の検査を行っている都道府県は、ほかにあるでしょうか。いや、世界であるでしょうか。

福島県産の米は、日本一、いや、もしかすると世界一、安全安心の米であると言えるでしょう。

農家Aさんの何年何月何日に出した玄米袋の米は基準値以下だった、というデータが2012年から蓄積されています。膨大な量の「基準値以下」データを福島県は取り続けています。

自分のところから基準値以上の米が出てしまったら、世間から「やっぱり福島は」と言われてしまう。風評被害が本当だったと思われてしまう。他の頑張っている農家から目の敵にされてしまう。

そんなことを思っていたかどうかはわかりませんが、全量全袋検査での基準値以下が当たり前となる状態を作るため、福島県の農家の方々は懸命に努力を重ねてこられたに違いありません。その努力は、私たちが認め、敬うべきものだと思います。

にもかかわらず、こうした現実を一切認めたくない人々が存在します。土壌が汚染されていないはずがない。スクリーニング検査の機械の精度がおかしい。データを捏造しているに違いない。

このような人々は、もう何を言ってもお手上げです。そういう人の何人が実際に福島の現場を訪れているでしょうか。自分の言っていることの間違いを認めればいいだけなのに。間違いを認めたくないがために、風評を流し続けているようにさえ見えます。

風評は、反論してなくなるものではないとも思います。データをきちんと残し、地道にコツコツと事実を積み上げて示していくしかないものです。その意味で、福島県が今もずっと米の全量全袋検査を続けていることは、面倒ではあっても、やらざるをえないことだと考えます。

この日本一、いや世界一厳しいかもしれない、福島県の検査手法は、おそらく、食の安全安心を確保するうえで、時代の最先端をいくものかもしれません。もしそうならば、日本が世界に誇るべき食の安全安心を確保する手法として、世界に輸出できるようなものではないか、と思ったりもします。

風評被害に悩む福島県の食の安全安心対策が、実は世界最先端であるかもしれないと考えると、この手法が世界で受け入れられることが、世界の他国での食の安全安心に貢献し、かつ、国内の風評被害を一掃することにつながるのではないか、と思うのです。

オセロのように、風評被害対策の一発逆転があるような気がします。

美人鍋で雑談会

今日の夜は、美人鍋を食べながら雑談会でした。

集まったのは私を入れて4人。当初、中華しゃぶしゃぶを考えていたのですが、参加者のうちの2人の友人がマネージャーをしているという、この店に変更しました。

美人鍋は、日本の塚田農場が出店した店です。何が美人鍋なのか、鍋を食べている間に美人が現れて鍋の具を取り分けてくれるのか、はたまた鍋の中から美人が現れるのか。想像力豊かな4人があれこれ勝手に思いつきで楽しんでいましたが・・・。

現れたのはコラーゲンでした。美人鍋はコラーゲン鍋、水やお湯や出汁は一切入れないで、プリップリッの鶏のコラーゲンのみを惜しげもなく鍋に入れ、さらに具を入れていきます。

この鶏のコラーゲンは、鹿児島の地鶏からとったもので、インドネシアへ輸入しています。一方、鍋に入れる地鶏はインドネシア産とのこと。

鶏の味がしみる、こってりとしたコラーゲンたっぷりの鍋は、すぐにでもお肌がツルツルになりそうな気がしました。

まだできて間もない店ですが、それでも、土日には満席になるのだとか。店はジャカルタのプラザスナヤン内Studio 21の向かい、一番端っこにあります。

美人談義から始まった雑談会は、それこそ、四方八方へ脱線しまくりながら、楽しく過ごすことができました。

飲めないのに飲んでしまった福島の日本酒の美味しさ

5月1日の夜、福島のオフィスを訪れた2人目の来客であるジャーナリストの友人と夜、義妹が勧めてくれた福島市内の店「はりまや」にて、美味しい料理とともに、日本酒をゆったりと飲みました。

私はアルコールが苦手で、ビールをコップ1杯飲むだけで、顔がすっかり真っ赤になってしまいます。家でも晩酌をしたことはおろか、クリスマスの時のワインなどを除いて、アルコール類を飲むこともありません。

これまでは、アルコールを飲むと、持病の気管支炎のせいか呼吸が苦しくなることが多く、友人たちと飲むときも、ビール1杯程度で抑えるようにしていました。

しかし2月に、インドネシアのスラバヤへ出張した際、ご一緒した大阪の中小企業の社長さんがお酒が大好きで、毎日お付き合いすることになり、なんだかんだと飲まされてしまいました。その多くは日本酒で、しかも一升瓶を5本も机の上に並べ、スラバヤのウワバミのような華人の傍に無理やり座らされ、相手をさせられたのですからたまりませんでした。

でも、今回の日本酒は、本当に美味しいと思いました。福島の日本酒3本の飲み比べ、しかも頒布会のときだけに出された珍しい貴重なものとのことでした。

上写真の左から「写楽」純米吟醸短稈渡船、「天明」純米瑞穂黄金の生、「風が吹く」純米吟醸中取りの生、です。「写楽」はフルーティーな味わい、「天明」はスキッとした味わい、そして「風が吹く」はまろやかな味わいでした。いずれも、会津の歴史ある酒蔵で造られたものとのことでした。

ジャーナリストの友人も大の酒好きですが、食事も美味しく、話題も興味深かったせいか、頭がクラクラするような酔いにはならず、美味しい日本酒をいただいた満足感でいっぱいになりました。

そして、調子に乗って、もう一つの飲み比べもしてしまいました。こちらは、山形の酒2本と新潟の酒1本の、日本海側の酒蔵シリーズでした。これらの日本海の酒は、先に飲んだ福島の酒に比べると、キリッとした味わいが強いように感じました。

震災前から、福島では酒蔵同士がお互いに切磋琢磨しながら、時代に合った質の高い日本酒を造ってきました。その結果、国内外の日本酒コンクールでは最高位を連続してとるなど、自他共に認める日本酒の実力県として認知されており、風評被害を乗り越えるのに大きな役割を果たしています。関係者の苦労と努力はこれからも続いていくことでしょう。

今回、福島の日本酒は美味しいと素直に思えました。飲めないのに飲んでしまった自分ですが、福島の日本酒の美味しさを伝える役目も少しは果たせそうです。

御徒町のハラール・ラーメン店

今日は、昼から面会が2件ありましたが、その後は、来日中のインドネシア人の友人に夕方からお付き合いしました。

彼は、インドネシア投資調整庁のお役人で、初めて日本に来た部下3名と一緒でした。アクアシティお台場で待ち合わせをして合流し、ハイヤーで移動。芝公園で東京タワーをバックに写真を撮った後、ハイヤーの運転手の勧めで、ハラール・ラーメンを食べに行きました。

前回、1月にインドネシア人の友人を新宿のハラール・ラーメン屋へ連れて行ったのですが、今回は、御徒町の別の店へ。アヤム屋(Ayam-YA)という名前の店でした。Ayamはインドネシア語で「鶏」の意味です。

ラーメンは、スパイシー鶏ラーメン(醤油・塩)、濃厚鶏ラーメン(醤油・塩)がメインで、並盛も大盛も値段は同じ。他に、つけ麺、ジャカルタまぜ麺、チキンオーバーライス・ニューヨーク風、などのメニューがありました。

私が頼んだのは、濃厚鶏ラーメン(醤油)の大盛り。

コクがあるのにあっさりした味わいのスープに、適度に柔らかく茹でられた麺。アツアツではなく、若干冷めた状態で出されたのですが、アツアツが苦手な(猫舌の)インドネシア人の友人たちには好評でした。

店主によると、お客さんではインドネシア人の客が多いとのこと。たしかに、我々以外に入ってきたお客さんは皆インドネシア人でした。

この店、どうやら京都の有名店「鶏そばAyam-YA」の支店のようです。場所は、御徒町の多慶屋のすぐそばです。

ハラール・ラーメンを食べた後、チョコレートを買いたいという友人たちは、多慶屋へ嬉々として突入していきました。

福島銘菓「さぼうる」の復活?

福島駅西口のコンコースには、地元のお菓子を売るコーナーがあります。そこに「松月堂」という名前のお菓子屋が出ていたので、思わず立ち止まりました。

松月堂ということで探したのは「さぼうる」。この「さぼうる」は、東京のナボナに似たお菓子で、ふんわりしたカステラ生地の間に様々な果物のジャム餡が挟んであるお菓子です。そうしたら、ありました!

なぜ「さぼうる」を探したかというと、実はこれは、私が子どもの頃には有名な福島銘菓だったからです。そして、しばらくずっと姿を消していたお菓子だったからです。

私が子どもの頃、福島市にはいろいろなお菓子屋がありました。当然、いろいろな地元のお菓子がありました。そんなお菓子屋の一つが「松月堂高木」です。

松月堂高木の本店は昔、福島市本町、ちょうど今の中国料理「石林」の入っているビルの隣あたり、日本蕎麦の老舗の喜多屋の並びにありました。和菓子と洋菓子を売っていて、商店街には、松月堂高木のCMソング(「ケーキの松月堂たーかーぎー」というサビの部分は今も覚えています)が流れていました。

その松月堂高木の看板となるお菓子が「さぼうる」だったのです。その時から、餡には果樹王国・福島の自慢の果物のジャム餡を使っていて、子どもの頃はよく食べたものでした。

時が経ち、福島市の中心街が寂しくなっていき、いつの間にか、本町の松月堂高木の店は消えてしまいました。有名な日本蕎麦屋だった喜多屋も5年ぐらい前になくなりました。櫛の歯がボロボロと欠けていくように、福島市中心街の老舗が姿を消していきました。

その「さぼうる」を今回見つけたのです。製造販売しているのは、「松月堂高木」ではなく「松月堂」。福島市の西部に本社があり、菓子だけでなく、食肉やレストランなど、食に関する幅広い展開をしている企業です。おそらく、何らかの形で「松月堂高木」と「松月堂」はつながっているのでしょうが、その詳細はまだ分かりません。

実家に帰って、さぼうるを食べてみました。懐かしい味がしましたが、ずいぶん前に食べたせいか、ちょっと味が変わったようにも感じました。中のジャム餡はもっと多かったような気がします。

福島特産の果物を生かしたお菓子として、さぼうるはもっと有名になっていいお菓子だと思います。

スラバヤの食は劣化しているのか

3月26日〜4月5日は、借りていたアパートの部屋の片付けなどでインドネシア・スラバヤとマランへ行っていましたが、食べ歩きも、もちろん忘れませんでした。

スラバヤへ行ったら食べたくなる食べ物も味わいましたが、その中には、明らかに味が落ちたものがいくつかありました。どうして、こんなに味が落ちてしまったのか、ちょっと残念でした。

これまでの経験から独断と偏見でいうと、インドネシアで食べ物の美味しい街といえば、ジャワ島ではスラバヤ、スマラン、マラン、バンドンあたりでしょうか。もちろん、ジャワ島の農村部で食べる何の変哲もない食事でとても美味しいものに出会うこともよくあります。

たとえば、スラバヤの5つ星ホテルの一つ、マジャパヒトホテルのコーヒーショップで出されるアップル・ストゥルーデル。

マジャパヒトホテルは、オランダ植民地時代にはオレンジホテル、日本占領期にはヤマトホテルと呼ばれた、コロニアル風建築のホテルで、一泊の価値があると思います。

オランダ植民地時代からの独自レシピで、このホテルの前身のホテル以来、出してきた名物スウィートです。これが食べられるのは、インドネシアではここだけです。

上が今回2017年4月2日に食べたもの、下は2016年12月8日に食べたもの、です。二つの写真を比べれば、その違いがよく分かります。

アップル・ストゥルーデルは、りんご餡と生地を交互に重ねたケーキ菓子で、その美味しさに重要な役割を果たすのが、甘すぎないりんご餡とサクサクの生地です。

以前の下のものは、生地がサクサクで、上部に冷たいクリームがしっかり入っていて、甘さだけでなく、冷たさも味わえ、ナイフでサクッと切るのが難しいほど、生地がしっかりしていました。

今回のものは、生地のサクサク感がなく、真ん中に入る生地がしっかりしておらず、また、クリームの質も以前より落ちていました。

生地のサクサク感がないのは、冷凍保存していたものを解凍して出してきているのも理由の一つでしょう。冷凍ものを出すようになって、明らかに生地のサクサク感がなくなり、味が落ちました。もちろん、昔のアップル・ストゥルーデルはもう戻ってこないかもしれません。

他にも、中華系の麺店エンペラー・ラーメンの辛味肉味噌そばも、残念な味になっていました。

常連だったチプトラ・ワールド店は閉店してしまったので、今回は、トゥンジュンガン・プラザ店で食べてみました。

味噌がドバッと載っていて、何よりも、味噌の下の麺がほぐされてなく、くっついたままの状態でした。味噌と絡める前に、麺をほぐさなければなりません。麺の茹で具合はやわからすぎ。肉味噌の味も辛さやパンチが効いていません。

ちなみに、以前、よく食べていた辛味肉味噌そばは、下の写真です。

肉味噌と細切りジャガイモが絶妙に絡み、汁なし麺のなかでも最も好きだった麺の一つでした。写真を見比べると、違うメニューのようにも見えますが、同じメニューなのです。

これら二つのほかにも、いくつか残念な食がありました。食材コストや労働コストの上昇が料理の質の劣化を招いている可能性があります。

でも、人気店にはますます客が集中していて、長蛇の列になっています。一方、いったん質が落ちると支店の数が減ってどんどん劣化します。スラバヤでも、こうした二極分化が進んでいて、前者の数が増えていないのかもしれません。

ソトアヤム・チャ・ハールのように、屋台同然だった店が評判になり、メニューはソトアヤム(鶏肉の実だくさんスープ)だけなのに、広い敷地で営業するようになるケースもあります。

スラバヤ全体として食の劣化傾向が起こっている、とまでは断定できないかもしれません。しかし、飲食業界での競争はますます激しくなり、かつての有名店でも、名物料理を持っていても、うかうかしていられない、という状況であることは確かなようです。

ソト・アヤム屋のイメージを変える店

今日のインドネシアは、ヒンドゥー教の「正月」ニュピで祝日。友人に誘われて、ランチを一緒にしたのですが、行き先はソト・アヤムの店。

ソト・アヤムは、ちょっと煮込んだスープに鶏肉の入った濃い味のスープのことで、ジャワ島ではどこでも食べられる庶民の味です。私も大好物なのですが、地方地方によって味付けが異なり、それを探訪して味わうのが楽しみの一つです。

中ジャワや東ジャワでは、ソト・アヤムの中にご飯(インドネシア語でナシと言います)を入れて食べるのが一般的で、それはナシ・ソト・アヤムと呼ばれます。不思議なことに、ジャカルタではご飯とソト・アヤムを別々に出すのが一般的です。私は、ナシ・ソト・アヤム派です。

場末のありふれた屋台で食べるのが普通なので、そんな質素な感じのところかと思って行った先は、ソト・アヤム・チャッ・ハール。噂には聞いていましたが、これがとんでもないソト・アヤム屋でした。

ダーッと広い店内。隣のカフェとの境までたくさんの席が用意されています。メニューはなく、ソト・アヤムの一つのみ。ただし、肉はムネ肉かモモ肉か、ご飯はソトに混ぜるか分けるか、が訊かれます。

場末のソト・アヤム屋では、ソト・アヤム以外に、うずら卵や鳥皮、テンペなどが目の前にあって、それを適宜とって食べる仕組みですが、この店のテーブルにそれらはありません。レジの脇に、うずら卵の串刺しと鳥皮の串刺しが1本それぞれ5000ルピアで売られていて、別途買う仕組みになっていました。

さて、評判のソト・アヤムですが・・・

ラモンガン風(ソト屋はラモンガン県出身者が多いことに由来しているらしいです)ということで、例によってお馴染みのクルプッの粉をかけ、レモンを絞り、サンバルとケチャップ・マニスを適宜かけて、いただきます。

私がふつう食べるラモンガン風のソト・アヤムに比べると、ずいぶん濃厚でこってりした感じの味わいでした。屋台のものよりもボリュームもやや多めです。

個人的には、もう少しサラッとしているほうが好みなのですが、まあ、これはこれでいけるかな、と思いました。

この店は、つい数年前までは、今の店の先のビルの前の軒先を借りて、細々とやっていた場末のソト・アヤム屋に過ぎなかったそうですが、車が前によく停まるようになり、評判が評判を呼んで、あっという間に、店が大きく拡張したようです。

このような成功物語は、ちょっと長い時間を同じ町で過ごすと、いろいろあることに気づくように思います。以前は屋台だったのに今では有名レストラン、という事例のスラバヤで最たるものは、ワポ(Wapo: Warung Pojok)というレストランです。名前の通り、端っこの屋台だったのが、今ではショッピングモールに支店を出すほどになりました。値段が安く、ボリュームが他店の倍以上あるのが売りになっています。

インドネシア各地で、こうした小さな無数の成功物語が産まれていることでしょう。そして、その裏には、またたくさんの失敗物語もあるに違いないのです。

マーベルシティ・モールを探検

スラバヤに無事到着しました。早速、準備のためにやるべきことをいくつか行い、夕方に小一時間寝てから、街へ出ました。

今夜の行き先は、マーベルシティ・モール。以前、スラバヤに住んでいたときはまだ建設中だったモールで、つい最近オープンしたと聞いたので、行ってみました。

マーベルシティはモールとアパートが敷地内に隣接し、その間をちょっとした広場のような形で結んでいます。飲食店がたくさん入っているようなので、行ってみたのですが・・・。

まだ半分ぐらいが工事中で、入居店舗も多くなく、閑散としている割には、若者や家族連れがけっこう来ていました。メインは地下にあるロッテマートで、ここで買い物をするために来るような感じでした。

意外にも、ジャカルタなどでおなじみの系列フランチャイズの飲食店は少なく、本格的な食事というよりも、軽く食べる感じの店がほとんどでした。その一つ、369カンティーンへ行ってみました。

この店は、スラバヤに本店がある上海小籠包の店として有名な369(ジャカルタのマンガ・ブサールにある支店は在留邦人によく知られています)の新規店で、ライス&サンドイッチ、という副題が付いています。

ちょっと寄って、軽くライスボウルやサンドイッチを食べる、というスタイルの店で、369のオーナーの息子が店を出したらしいです。

私が頼んだのは、マンチェスター風エビのライスボウル、というもの。ライスボウルは料理によって、バターライスか炒飯か白飯になっており、このマンチェスター風はバターライスでした。

小エビのフライにソースがかけられたものでした。でもどうしてマンチェスターでエビなの?と店員に聞いたら、「ソースがイギリス・ソースなので」という答えが返ってきました。

インドネシアでイギリス・ソースというのは、日本でいうとウスターソースに当たります(でも、ちょっと味が違うような気もしますが)。369らしいと思ったのは、それでもちょっと中華っぽく味付けてあり、バターライスもくどくなくて、けっこう美味しくいただきました。

この店では、いくつかの種類の飲み物はお代わり可能で、足りなくなると継ぎ足してくれます。

私の隣の席の子供連れは、2人の小さい子供が雄叫びをあげながら机上で創作活動を激しく行っていて、それが終わると、親が子供を連れて逃げるように店を出て行きました。その残骸を店員が愚痴ひとつ言わずに綺麗に片付けていました。

このほか、ロッテマートのすぐ近くに、友人のやっている「おにぎらず」の店がありましたが、今回は夕食後だったので、次回、また来てみようと思います。

マーベルシティ・モールは、まだまだ未完成のような状況でしたが、他のモールにあるような、タクシー乗り場がないのに困りました。歩道もなく、車で来ることのみを前提にしている作りです。

私はタクシーで来たのですが、マーベルシティ・モールでは帰りのタクシーを捕まえられず、モールを出て、しばらく10分ほど歩いて、ようやく道端で捕まえることができました。

早速、来て早々、スラバヤで大汗をかいてしまいました。

神楽坂でのホッと一息スポット

東京都内の散歩コースで好きな場所の一つが神楽坂です。

一歩中へ入ると、いくつかのクネクネした小道に、雰囲気の良い粋なお店がいい感じで存在していて、なんとも風情があります。そういえば、移転前の元職場に近かった四谷荒木町界隈も同じような風情があり、大好きな場所でした。

神楽坂でホッと一息つく私(と妻)のお気に入りのスポットの一つは、ル・ブルターニュ神楽坂店です。とくに、そば粉のガレットが大のお気に入りです。

いつ行っても、たくさんの人が並んで待っているような店なのですが、今日は珍しく、夕方、私たちが入ったときには誰も客がいませんでした。しかし、しばらくすると、次々にお客さんが入ってきて、わずか15分ぐらいの間に満席となっていました。

店員の対応はキビキビしていて親しみやすく、フランス語が飛び交う店内は、なかなか居心地が良いです。メイン通りからちょっと入ったところにあって静かな空間です。

次に今回訪れたのは、紀の善です。あんみつで有名な店ですが、お目当ては、抹茶ババロアです。クリームとつぶあんが付いていて、これらの味のバランスが絶妙なのです。

ほかにも、親子丼やうどんすきでの鳥茶屋、押し寿司の大〆、肉まんで有名な五十番、そして、コタツのある饅頭カフェのムギマル2など、神楽坂には興味深い店がいろいろあります。次回は、どこへ行きましょうか。

新たに訪れたジャカルタの麺店2店

ジャカルタの夕陽と汚水を「堪能」(?)すると同時に、せっかくプルイットやPIKを通るのだから、この際とばかりに、麺の店を2軒、回りました。

でも、プルイットの麺店は、その多くは夕方4時か5時頃には閉まってしまいます。そこで、夕陽の前に1軒、夕陽の後に1軒、行くことにしました。

最初の店は、Asli Mie Keriting P. Siantarという店。この周辺には、北スマトラのトバ湖に近い小都市プマタン・シアンタルの名前の付いた縮れ麺を出す店が何軒もありますが、ここは1954年創業で、それらの元祖を名乗っています。

飾り気のない素朴な店構えですが、「こういう店が美味しい」という自分の直感が当たりました。

麺は自家製で、コシがあり、いい具合にスープと絡み合いますが、普通の麺よりも、ここの麺のほうが、主役は麺である、と強く主張しているように感じます。麺の上にのせられた具も、麺の主張を壊さないような控えめな味付けですが、よく味が付いています。

この店は、実は2006年にじゃかるた新聞でF記者によって紹介されており、その新聞の切り抜きが貼られていました。きっと、麺好きの日本人の間でも知られた店なのでしょう。

次に訪れたのは、PIK(Pantai Indah Kapuk)の飲食店街にあるBakmi Aloiという店。

以前、友人に連れられて、PIKのBakmi Siantarという店へ行き、そこで食べたカレー麺(カレー麺の上に豚の血の塊がのっているもの)をまた食べたいと思って探したのですが、見つけられず、その店があったと思しきところにあるBakmi Aloiに入ってしまいました。

入ってメニューを見て、「まずった」と思いました。先に食べたAsli Mie Keriting P. Siantarと同じような内容だったからです。カレー麺が食べたかったのにー。

ともかく、なんでものせ、を注文。出てきた麺を見てちょっとびっくりしました。

小丼ではなく、皿に入って出てきたのです。これは、マレーシアやシンガポールや香港でおなじみのドライ麺、汁なし麺の系統だな、と思いました。

早速、麺を食べてはスープをすすり、というふうに食べ始めました。麺はストレートですが、茹で加減が絶妙で、麺に絡ませたと思われる油もあっさり。具がとても美味しく、麺と一緒に食べて、スープをすすると、なんとも言えない美味しさなのです。

この店の本店は南スマトラのパレンバンにあり、実は、ジャカルタには多くの支店があると後でわかりました。

麺店を2軒まわって満足し、スカルノハッタ空港でチェックインを済ませて、無事に、帰国JAL便に乗りました。ラッキーなことに、プレミアムエコノミーにアップグレードされていたし、気分良く乗りました。

さあ、朝食でオムレツ、と思ってウキウキしていると、「お食事です」の客室乗務員の声。えっ? 朝食は? と聞くと、朝6時過ぎに成田に着くこの便では、朝食は出さずに、離陸後すぐに夕食を出すように変更されたとのこと。

夕食を出したすぐ後に、パンも配られ、そのパンが、適当な時間にスナックとして食べていただければ、という話でした。朝到着前に朝食で起こされたくない乗客と、サービスを一回で済ませられる客室乗務員側の利害が一致した、サービス変更でした。

今回の夕食はミーゴレン。麺店を2軒まわって大満足の自分には、とても食べられる余裕はなく、夕食は辞退しました。

ちなみに、一緒に麺店、夕陽、汚水を堪能した若い友人は、機内でも夕食をしっかり食べたとのこと。さすが若者、という感じですね。

クエティアウを食べながら、思わずハッとしたわけ

今回は、チームで一緒に夕食をとる日々です。今日の夜は、スラバヤの大手水産会社の重役L氏からのご招待がありました。

「道端の庶民的な食堂でクエティアウ(米粉で作った平たい麺)を食べよう」という話で、チームリーダーは、「ビールは多分ないだろうな」と少し落胆気味でした。今日はクエティアウを食べて、早々に引き上げるものとチームメンバーは思っていました。

L氏の指定した店に着くと、たしかに庶民的な飾り気のない食堂でしたが、道端の屋台のような場所とは違いました。

以前、スラバヤに住んでいるときに、こういう雰囲気の店でよく一人で夕飯を食べたよな、けっこう同じような雰囲気の店ってあるもんだな、よく行ったあの店はもうどこかへ移ってしまったな、などといい気分で過ごしていました。

「ここは、クエティアウとカエルと鳩がうまいんだ」とご満悦のL氏がどんどん注文していきます。L氏は気を利かせて、ビールも持ち込んでくれていました。チームリーダーは大喜びです。

あんかけクエティアウが出てきました。うーん、美味い。

そして、クエティアウを食べながら、ハッと気がつきました。もしかして・・・。

そう、昔よく行った、あの店だったんだ、と思い出しました。スラバヤの以前の自宅のすぐそばにあり、毎週のように食べに行ったDepot Purnama。

やっぱり!たしかに同じ名前の店です。

給仕のおねえさんがチラチラ私を見ています。声をかけると、もちろん覚えていると。調理場にはオーナーの親父さんがいて、すぐに私だと分かりました。

スラバヤに住んでいてくたびれたときに、Depot PurnamaのNasi Cap Cai Babi(豚肉入り中華飯)に何度救われたことか、数え切れません。これを食べると、不思議なことに元気になるのです。豚肉入り八宝菜とご飯の間に目玉焼きが敷かれていて、具の腸詰めや臓物の美味しかったこと。

そして、L氏との面会が初めてでないことも分かりました。3年前、彼ら一族の集まりになぜか招かれたとき、その集まりの主催者が彼で、挨拶をしていたのです。そして、共通の知人の名前が何人か出てきました。そして「趣味は食べること!」と一緒に叫んで、盛り上がりました。

L氏はまだまだ注文を続けます。カエルの唐揚げ、カエルの豆醤スープ、Cap Cai、炒めクエティアウ、焼きそば、ナシゴレン・・・。

Depot Purnamaは、私のスラバヤでの大切な場所の一つであり続けているのでした。

焼きそばも美味しかった!

今日のお昼のお弁当が美味しかったので・・・

今日から、JICA中小企業海外進出支援事業の一環で、大阪の中小企業の皆さんと一緒に、食品加工機械のデモンストレーションのためのワークショップに関わっています。

主催は東ジャワ州飲食品・包装研修センターで、今回の私の役目は、機械の内容と研修の様子を理解し、5月の最終セミナーの運営に役立てる、というところです。

開会式の後、すぐに実地での機械の説明に入るはずなのですが、昨日の雨で電線が切れたため、機械が据え付けてある棟が停電となってしまい、機械を動かせなくなってしまいました。復旧するのは昼過ぎ、ということで、時間が余ってしまいました。

そのとき、急遽、チームから私に、「ワークショップ参加者に対して何か話をしてほしい」と言われ、まあ、そういうのは慣れているので、漫談のような「講演」をしました。それでも時間が余るので、「参加者の自己紹介をしてはどうか」と提案し、自己紹介でようやく間が持ち、続いて、包装面での特別授業が加わり、何とか、お昼までの時間を潰すことができました。

お昼になって、昼食は研修センターが用意してくれるのですが、今日のは下の写真のような弁当でした。

ご飯(左上)、鶏肉の辛味煮付け(左下)、パパイヤの葉の炒め物(右上)、キャッサバチップ(右中)、ゆで卵のカレーソース和え(右下)、これにミカン(地物か輸入物かは不明)が付きます。

最近のランチボックスは、写真のように、仕切りがあって、そこにおかずがいくつか入るようにできています。以前のように、真ん中にご飯があって、その脇に鶏の唐揚げと野菜が入っている、汁物と果物はビニールに入っている、という感じのものはあまり見なくなりました。

さらに昔は、バナナの葉にご飯とおかずが一緒に包まれていましたが、それも最近昼食ではあまり見かけません。

今のものは食べやすくていい感じなのですが、あのご飯とおかずのソースが入り混じり、なんとも言えない美味しさを醸し出していた、というのは、オフィスなどでの昼食には出てこなくなるのかもしれません。街中では、屋台などでまだバナナの葉やその代替品である(裏地に油よけコーティングした)紙で包むのがまだ主流ですが・・・。

そして、今日食べた弁当のおかずの味付けがなかなか良く、ご飯によく合うのです。インドネシアのいろいろなところを食べ歩きしましたが、ジャワの普通のこうした「定食」系のおかずは、意外にどこでも美味しく、田舎へ行ってもレベルの高さを感じます。

インドネシアの食べ物はナシゴレンとミーゴレン、などと単純化する話も聞きますが、それ以外のフツーの人々の食べているものの美味しさを発見する喜びを何度感じたことか。

自分たちが食べている普通のものを、よそから来たお客さんになんか出すのは恥ずかしい、という気持ちがあるのかもしれません。ナシゴレン、ミーゴレン、鳥の唐揚げをどこでも食べられるのは、その表れとも言えるでしょう。でも日本だって、どこへ行ってもラーメンとカレーがあるし、同じ感覚なのかもしれません。

そんな普通のものがよそ者には信じられないぐらい美味しい、ということをそので普通に食べている人は認識していないのです。食べ物も立派な地域資源であり、そこの人にとって普通のものがすごいものであることを、そこの人とよそ者が交わることで認識する。

と考えると、食べ歩きもまた、そこの地域資源掘り起こしの第一歩になるかもしれない、楽しい営みなのかもしれないです。そう思って、食べ歩きは続くのです。

トルコ料理店のレディースコースが重量級

東京・有楽町にある、日本で最初のトルコ料理レストラン「イスタンブール」へ行ってきました。創業は1988年、意外にトルコ料理レストランの歴史は新しいという印象です。

今日は、2月の月曜日のせいか、有楽町周辺のショッピングセンターは休館が目立ち、最初のお目当の中華料理店も臨時休業、ということで、やむなく、「イスタンブール」へ行きました。

月曜日は、レディスコースが通常3500円が2800円へ割引になります。妻と娘と3人で行ったのですが、女性だけでなく、女性連れであれば男性もレディスコースを注文できるということで、3人揃ってレディスコースを注文しました。

ひよこ豆のポタージュスープの後、出てきた前菜盛り合わせ。厚手のトルコパンと一緒にいただきます。

この後に、メインのカルシュック・ケバブ(4種類のケバブの盛り合わせ)が出てきたのですが・・・。

これを3人で分けるのではなく、これが1人前なのです。チキン(左)、ビーフ(真ん中)、マトン(右)、ビーフとマトンの合挽き(下)で、レタス、酢漬けの赤キャベツ、マッシュドポテトとバターライスが添えられています。

とにかく、肉、肉、肉、という感じ。焼き具合はとてもよく、肉の旨みがしっかり味わえる逸品なのですが、これがレディースコースとは。他ではなかなか味わえないであろう重量級でした!

結局、3人で協力して、というか私が妻の残りもいただいて、完食。レディス・コースのボリュームに感服しました。

最後のデザートは、ちょっと固めの甘みを抑えたプリンと紅茶で締めました。

やっぱり、半分は食べ物ブログになってしまいますね(笑)。

トルコ料理レストラン「イスタンブール」(ウェブサイトリンク
銀座店は、地下鉄銀座駅 C2番出口 徒歩5分 
またはJR有楽町駅 銀座口 徒歩7分 

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ジャカルタ州知事選挙関連の分析レポート(有料)は、ただいま執筆中。明日には掲載できるといいのですが。

おそらく、私と同じような見解で書かれたものはまだないと思います。乞うご期待。

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